21年成長率4.8%に下方修正 IMF

 国際通貨基金(IMF)はこのほど、2021年のインドネシアの国内総生産(GDP)ベースの経済成長率の見通しを明らかにした。前回予想の6・1%から1・3ポイント分下方修正し、前年比4・8%の伸び率と予測した。22年の経済成長率は停滞の反動から、6・0%まで成長すると予想している。地元メディアが報じた。
 IMFによる成長見通しの下方修正は、新型コロナウイルス感染拡大による国内産業の低迷や海外との貿易額の目減り、観光収入縮小によるサービス収支の悪化が長引いている点などを踏まえた措置。世界的に感染が続く中、内需が強いインドネシアが受ける影響が増大するとも予想している。
 インドネシアのGDPの過半数を占める個人消費も鈍い状態が続く。中央統計局(BPS)によると、20年の消費者物価指数(CPI)の伸び率は前年比1・68%だった。政府目標の3・1%を下回り、統計の記録開始後で最も低かった1999年の2・01%を下回る過去最低水準を記録した。自動車の新車販売台数も年間を通して低調だった。
 IMFによると、20年10月時点の世界経済の成長についての見通しは、20年がマイナス4・4%、21年がプラス5・2%だった。
 IMFは昨年第3~4四半期の活動が底堅かったため、予想より好調な状態で新年を迎えたが、コロナ感染の急増と世界的なワクチン展開の間で綱引きが起きており、先行き不透明感が根強いと指摘。同時に底堅い現状と新たな刺激策との組み合わせで「年後半の回復に弾みがつく」と見通す。

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