政治団体の幹部ら8人逮捕 「98年の様なシナリオを」 オムニバス法抗議
「オムニバス法」の雇用創出法撤回を求めて全国で行われたデモで、参加者の暴徒化を扇動したとして、国家警察は13日までに、政治団体「インドネシア救済行動連合(KAMI)」幹部ら8人を、情報電子商取引法(ITE法)違反などの疑いで逮捕した。逮捕された幹部の一部は、メッセージアプリ「ワッツアップ」を使い、「98年の様なシナリオを作ろう」などと呼び掛けていた。地元メディアが報じた。
KAMIは、イスラム団体ムハマディア元総裁で18年に日本政府から旭日重光章を授与されたムハマッド・シラジュディン・シャムスディン(通称ディン・シャムスディン)氏などが中心となり、今年8月に結成した。イスラム擁護戦線(FPI)のアフマッド・ソブリ・ルビス事務局長や、ガトット・ヌルマンティヨ前国軍司令官など150人が参加している。
8人は北スマトラ州やジャカルタ特別州、バンテン州などで逮捕され、うち一人にはスシロ・バンバン・ユドヨノ前大統領と関係が深いとされる活動家のシャガンダ・ナインゴラン氏も含まれている。
また、調べによると北スマトラ州で逮捕された4人は、ワッツアップで「98年の様なシナリオを作ろう。プレマン(チンピラ)を加えて中国人の家や店を焼こう」などといったメッセージを拡散し、暴動を扇動していたという。(高地伸幸)