結果は「陽性」 ショックだった

 新型コロナウイルスへの感染リスクは、地球上のどこにいても、もはや完全排除することはできない。そして「感染宣告」は予告もなくやってきて、医療施設に隔離されることになる。では、インドネシアの医療現場はどうなっているのか? 実際に感染者として隔離された日本人女性の病棟体験を、編集部に寄せられた本人の手記から紹介する。

 7月のある日の夕方、携帯電話のワッツアップ(WA)に、一通のメッセージを受信した。「COVID―19(新型コロナウイルス)に感染していませんか?」。発信元は居宅のあるマンションの管理室。緊急確認するよう求めている。
 突然のことで驚いたが、実は思い当たるふしがあった。一時帰国の予定があり、6月下旬、病院でPCR検査を受けていた。ただ、帰国予定が延期になり、検査結果の確認をしないでいたのだ。あわてて着信記録をみると、未読メールの中に病院から通知があった。「Positif(陽性)」。ショックだった。
 「大規模社会的制限(PSBB)」が実施されて以降、感染を避けて自室にこもり、食べ物にも細心の注意を払うなど健康に心がけてきたつもりだ。「なのになぜ……」という思いはあったが、冷静に考えてみると、PCR検査からすでに2週間が経過している。そもそも感染症状はまったくなく、無症状の感染者ということなのだろう。ちょっぴり安堵した。
 「医師の許可が出るまでは、自室から出てはならない」。感染通知があったと報告すると、管理室から短い返信がきた。当然といえば当然だが、一人暮らしでどう生活すればいいのか? 質問を投げると「食料購入は管理室が代行する」「ゴミ出しも管理室がやるので、集積場には行かないように」という具合に細々と対応してくれるという。しかし、めんどくさい。正直、そう思った。
 けれども、保健当局の対応は思いの外迅速だった。おそらく、陽性反応を受けて病院は保健所に通報し、保健所からマンションの管理室に照会があったのだろう。観念するしかない。
 翌朝、保健所から体調やPCR検査を受けた病院名を確認する連絡がWAに入った。その場で保健所に電話を入れてみると、電話口に出た担当職員はインドネシア語だが丁寧に、しかも外国人の私にもわかるようゆっくりと話してくれた。
 ただ、甘くはなかった。2度の再検査で陰性とならない限り、自由は戻ってこない。しかもPCR検査がいつ受けられるかは、病院によって事情が異なるという。この状況がいつまで続くのか、まったく見通しがつかなかった。そして、話をするうちに不安はさらに増幅された。「私は感染を広めた外国人のレッテルを貼られてしまうのか?」。インドネシアでの滞在資格を執拗に聞く担当者の質問に、私は身構えてしまった。(長谷川周人)

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