【子育て相談 352】 先が見えない毎日に
質問:先が見えない時にどんな心構えで毎日を過ごせばよいでしょうか?
答え: この数カ月、同じようなことを考えて、ここにも書いてきました。一番見えないのは人間の寿命です。死ぬことはわかっています。でもいつかはわからない。1分後に大地震が来るかもしれません。
作家の池波正太郎は「人生というものは毎日確実に死に向かって歩むことだ。なればこそ今日という一日が大切。今日が最期の覚悟で、日々の酒を飲み、飯を食え」と言っています。ラテン語にも「メメント・モリ(自分が必ず死ぬことを忘れるな)」という警句があります。
頭の片隅で常に死を意識しつつ、でもそれに揺さぶられずに、粛々と毎日を過ごす。生者必滅を事実として受け入れつつ、過度に感情的にならない生き方は一つの理想形です。なかなかこの境地に達することはできません。
反対の「棚上げ作戦」も良い方法です。先のことを考えても不安になるだけです。目の前のことに没頭する人生もありでしょう。
「暇つぶし作戦」というのもあります。「人生暇つぶし」とは落語家、立川談志のセリフです。人生は一回きり、楽しい暇つぶしを探しながら日々を過ごしていきます。
自分がどこから楽しみを得ているのかを考えるのも良いでしょう。人の役にたつ、人との関わりで楽しむなど、他人との関係を大切にする人生もあります。他人との関係ではなく、自分の興味や関心を大切にする生き方もあります。
これまで述べてきたことは、どれか一つではありません。その時々で、自分のスタンスが変わっていくので当然です。
人間には適応能力が備わっています。我慢していると大抵のことには慣れていきます。どうしても慣れない場合にはアクションが必要です。でも、今は行動してもあまり状況は変わりません。自分でできることをして辛抱するしかない辛い毎日です。
今日の自分はこの原稿に没頭することで気を紛らわせた次第です。