人間関係作りのコツ (7)
「優柔不断で、何を決めるにも迷いがあります。臆病な性格で、人にどう思われているかを心配し、人に合わせてしまいがちです。それでいて内心は気分が悪く、後になってクヨクヨ悩みます。最たる問題は、人との関係作りに自信が持てないことです」
駐在生活は一見、開放的に見えますが、実は衆人監視の狭い社会。それだけに人間関係作りはとても大切です。私の自己啓発プログラム「ママから贈るプレゼント」と「海外駐在員マネジメント読本」の中には、人との関係作りのコツが詰まっています。今回、その中からひとつをご紹介しましょう。
それは、自己を知ることです。そのためには、自分がどういう人間かを見つめることが必要です。人は自分を知ることで、他者と関わることができます。違う考えの相手を理解しようと歩み寄り、相手に配慮して行動できるのは、自分を知っているから。ソクラテスの「汝自身を知れ」の名言は、その核心なのです。
自己を知るためには、自分の長所、好きなこと、個性をしっかりと見つめます。その中に、あなたの人生を豊かにする能力が隠れています。自分の心の真ん中に自分の興味、関心ある大切なものを置いてください。コミュニケーションが変わり始めます。
注意が必要なのは、他者に合わせないと関係が作れないと思い込んでいるクライアントさんが実に多いことです。長い間、自分の本心を押し殺して、感情にふたをして諦めていたなら、直ぐに伝えることは難しいでしょう。その場合は、素直に、正直に自分の気持ちを感じることから始めてください。
私は今こう感じている、こう考えている、こうしてみたい、という意識のもとにメッセージを伝えてみましょう。その際、相手を認めて感謝する気持ちを伝えると、関係は良くなります。
このように、長所、好きなことは、あなたの人生を豊かに輝かせてくれる宝です。これらは努力して得るものではなく、生まれながらに持ち合わせていると考えると、素晴らしいと思いませんか。数ある宝物がマージュしたのが、個性です。万華鏡が魅力的な形を作るように、あなたの個性を使うことで、あなたらしく輝いてください。
(コミュニケーション専門カウンセラー・家族関係心理士 高﨑美佳)
本稿へのご質問等は、カウンセリングルーム「ミカモーレ」(mikamour.fleur@gmail.com)まで。