実行犯に禁錮1年求刑 KPK捜査官襲撃 ノフェル氏は不服表明

 大型汚職事件を担当していた汚職撲滅委員会(KPK)のノフェル・バスウェダン捜査官が2017年4月、顔に硫酸をかけられて左目を失明する重傷を負った事件の求刑公判が11日、北ジャカルタ地方裁判所であり、検察側は実行犯として逮捕、起訴した元警察官2人に、禁錮1年を求刑した。地元メディアが報じた。
 実行犯はラフマット・カディルとロニー・ブギスの2人で事件当時、国家警察機動隊に所属していた。2人は17年4月11日午前3時ごろ、北ジャカルタ・クラパガディンの住宅地で、早朝の礼拝から帰宅途中だったノフェル氏にオートバイで近づき、通りざまに硫酸をかけたとされる。ノフェル氏は近隣住民に病院へ搬送され、シンガポールで手術を受けたものの、左目を失明する重傷を負った。
 検察側は、2人がノフェル氏に硫酸をかけたのは事実としながらも、重傷を負わせるつもりはなかったとして、禁錮1年を求刑した。この求刑に対してノフェル氏は不服を表明している。
 ノフェル氏は事件当時、スティア・ノファント前国会議長をはじめとする多数の政治家が関与したとされる電子住民登録証(e-KTP)事業費不正流用事件などを担当しており、事件に踏み込んで捜査をしていたノフェル氏へ「見せしめ」とみられていた。
 事件から1年10カ月後の19年1月、大統領直轄の真相究明班(TGPF)が組織されたが、活動期限として設定された7月になっても犯人逮捕には至らず、世論の批判を受けていた。そのため、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は再捜査を命令。2人は翌20年1月に逮捕された。
 KPKは国家警察や検察から独立した汚職事件専門の捜査機関として03年に発足。汚職事件に関与した政府高官などを摘発してきた。しかし、昨年9月に可決した汚職撲滅改正法により、被疑者に対する通信傍受、控訴、家宅捜索で監督機関の許可が必要になるなど権限が縮小された。(高地伸幸)

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