イ出身男性が暴動参加 人種差別に「怒りこみ上げ」 米国・黒人暴行死
白人警官による黒人男性の暴行死事件を発端に、暴動が全米に飛び火している米国で5月30日、ジャワ島出身のインドネシア系米国人の男性が暴動に参加していたことが分かった。男性はインスタグラムを通じ、暴動を見ているうちに人種差別に対する怒りがこみ上げたと、参加した理由を説明。破壊活動を行ったことを謝罪した。地元メディアが報じた。
テンポ(電子版)によると、インドネシア系米国人の男性は30日、ペンシルベニア州フィラデルフィアで発生した暴動に参加。銀行の建物にものを投げつける様子を写した写真が現地のメディアに取り上げられた。男性の右腕にインドネシアの地図を描いた入れ墨が入っていたことから、コンパスなどインドネシアメディアも写真を転電し、インドネシア人の間でも関心を集めた。
米国ではミネソタ州ミネアポリスで5月25日に発生した白人警官による黒人男性ジョージ・フロイト氏の暴行致死事件を発端に各地でデモが発生。デモは全米75都市に波及し、参加者の一部が暴徒化している。
暴動に参加したインドネシア人男性は1日、自身のインスタグラムを通じ、破壊活動に参加したことを謝罪した。それによると男性は30日、フィラデルフィアの市街地をサイクリング中、暴動に出くわした。当初はインスタグラムに投稿するため動画を撮影していたが、「次第にジョージ・フロイトの死と、警察の不正義に対する怒りがこみ上げてきた」と暴動に参加した理由を説明。「今でも有色人種に向けられた不正に心を痛めている」としつつ、「合法的なデモ活動を行っている人々に謝罪したい」と語った。(久吉桂史、高地伸幸)