ごみ拾い、国歌斉唱…… ジャカルタ 大規模制限、罰則始まる

 ジャカルタ特別州で13日から、「大規模社会的制限(PSBB)」の違反者に対し、州知事令(12日発布)による罰則が適用された。風紀を取り締まる警備隊が中心になり、違反者の摘発が始まった。地元メディアが報じた。
 適用初日となった13日、中央ジャカルタ区に所属する警備隊は、人混みのできやすい同区タナアバンの繊維市場周辺を中心に隊員が巡回。警備隊の担当者によると、同日中に21人をマスク未着用などで摘発した。違反者は「PSBB違反者」と書かれたオレンジ色のベストを着用し、警備隊員に付き添われながら、歩道のごみ拾いを行った。
 PSBB違反者に対する罰則を定める州知事令によると、マスク未着用での外出や公共の場で5人以上の集会を開いた場合、罰金(最大25万ルピア)か社会奉仕活動の対象となる。
 同担当者によると、違反者がPSBBの遵守に協力的でない場合などを除き、基本的には罰金ではなく、社会奉仕活動に従事させることで対応していく方針という。
 一方、同区・チュンパカプティではPSBB違反者に路上で国歌「インドネシアラヤ」を斉唱させるという、一風変わったペナルティを科している。同地域の警備隊担当者によると、13日は10人の違反者を摘発した。「人前で歌うことを恥ずかしがる違反者もおり、そうした人には腕立て伏せを命じている」という。
 住民が罰則を受けるのを防ぐため、自主的にマスクの配布を始める村も現れた。北ジャカルタのロロタン村では、マスク未着用による摘発を防ぐため、住民ひとりあたり布マスク2枚を配布した。同村には、1090枚のマスクの在庫があるという。同村のイドハム村長は地元メディアの取材に対し、「皆でPSBBを守って、感染を食い止めたい」と話した。

■違反の1100社摘発

 地元メディアによると、ジャカルタ特別州では4月14日から5月12日までの間、PSBBに違反していたとして、1100社が摘発された。
 そのうち188社は、PSBB期間中のオフィスでの活動許可を得ておらず、一時閉鎖を命じられた。また、許可は得て活動していたものの、643社が社内でのマスク着用やソーシャルディスタンシングなどを行っていなかったという。
 オフィスでの会社活動を禁止するPSBBの規定に違反した場合、その企業に最大1千万ルピアの罰金が科せられる。例外的に活動を認められた企業が、州の定める新型コロナ対策の手順を守っていない場合は、最大5千万ルピアの罰金の対象となる。(高地伸幸)

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