ブロックM警備員に感謝 本紙が橋渡し 読者から寄付金届く

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で収入が減り、生活苦に悩む南ジャカルタ・ブロックMの警備員イヤットさん(57)。半世紀近くにおよんだブロックMに賭ける彼の思いを本紙の写真企画「人と街」で紹介したところ、じゃかるた新聞に寄付の申し出が寄せられた。寄付金計300万ルピアは1日、イヤットさんが通い続けるブロックMで手渡された。
 寄付のきっかけになったのは、4月27日付紙面の「ブロックMを守って45年」。約束した再会の場所は、ブロックMにあるイヤットさんの定位置。日本料理店の横にある少し傾いた長椅子だった。
 「記事を読んだ人から届いた寄付金です」。封筒の中の現金を見ると、イヤットさんは一瞬、不思議そうな表情を浮かべた。改めて主旨を説明すると、目を丸くして驚きながら、片言の日本語で「チョット待ッテ」。革ジャンパーを羽織って襟を正し、封筒を受け取った。「自分のおかれた状況を理解し、助けてくれたのがうれしい。本当にありがとう」と笑顔を見せた。
 そして手渡した掲載紙は「折れ曲がってはいけない」と大切そうに封筒にしまい、立ち去る記者が小さくなるまで手を振って見送ってくれた。
 記事では、1985年からブロックMの路上で警備員として生計を立てているイヤットさんの半生を紹介。コロナ禍でブロックMを訪れる客が減少したことから給料を減額され、生活費を捻出するため、長年乗っていた〝相棒〟のホンダ製のオートバイを売却したというエピソードなどを紹介した。
 寄付金を贈った読者の一人で、西ジャワ州カラワン県在住の邦人女性(28)は本紙記事を読み、「ブロックMで日本人を守ってくれている人が困っていることを知り、日本人として手助けがしたい」と、寄付を思い立った。寄付にあたり、「体に気を付けて」と記者を通じてイヤットさんに語り掛けた。(高地伸幸)

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