ブロックMを守って45年 コロナ禍で〝相棒〟手放す イヤットさん(57)

 「なに、バイクはまた買えばいいさ」。気丈に振る舞うイヤットさん(57)だが、その目は寂しげに、ただ中空を見つめていた。
 1985年に中部ジャワの片田舎からジャカルタに〝上京〟。以来45年間、ブロックMの路上で、用心棒として街角に立ってきた。時には邦人の道案内を買って出て、雨が降れば「雨ダヨ、気ヲ付ケテ」と片言の日本語で呼び掛ける。ブロックMを題材としたミュージックビデオに、エキストラとして出演したこともあるという。ブロックMと共に歩んだ日々を振り返る時、イヤットさんの目はいつも輝いていた。
 しかし、変化は突如として訪れる。
 新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店の営業が制限されたことで、ブロックMは客が激減。給料を減額されたイヤットさんは生活費を捻出するため、〝上京時〟から連れ添ったホンダのスーパーカブを手放した。少ない貯金をはたいて買った、〝相棒〟だった。
 新型コロナは、市井の人々の生活に多大な影響を及ぼしている。ブロックMに再びネオンが灯る日を、待ち焦がれる人がここにもいる。(高地伸幸、写真も)

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