スホイ機、消息絶つ デモ飛行中、44人搭乗 山中に墜落か ボゴール南方

 九日午後二時二十五分ごろ、デモ飛行中のロシア製小型旅客機「スホイ・スーパージェット(SSJ)100」が、西ジャワ州ボゴールのサラック山(標高二二二一メートル)付近で消息を絶った。同日午後十一時時点で、航空会社関係者やテレビ局記者ら乗客、パイロットらロシア人八人の乗員を含む少なくとも四十四人の安否は確認されていない。日本人乗客はいないことが確認された。

 運輸省のバンバン・エルファン広報担当によると、同機は午後二時、四十四人を乗せて東ジャカルタのハリム空港を離陸。三十分間のデモ飛行で、同二時三十分ごろには同空港に着陸する予定だった。
 だが、同二十五分ごろ、西ジャワ州ボゴール県アタン・サンジャヤ付近で、操縦士が通信で「一万フィートから六千フィートまで降下する」と話した後、消息が分からなくなった。
 国家捜索救助庁のガガ広報担当によると、捜索救助隊(SAR)をはじめ、国軍、警察の合同捜索隊は九日夕方から、西ジャワ州ボゴール県にあるサラック山付近で捜索を開始。午後八時時点で、飛行機、乗客者は確認できていない。
 サラック山はスカブミとボゴールにまたがっており、捜索隊は墜落の可能性がある場所がスカブミ側とみている。スナルボウォ・サンディ対策本部長は「救助隊を墜落したと思われる場所にすでに派遣したが、現場の特定は困難を極めるだろう」と話した。
 地元メディアによると、旅客機には少なくとも四十四人が搭乗。インドネシアの航空会社スカイ・アビエーションなどの航空関係者、民放トランスTVや航空雑誌アンカサ、米通信社ブルームバーグらの記者らインドネシア人が三十六人、ロシア国籍のパイロット、航空技師ら八人が乗っていたとみられる。
 日本大使館によると、日本人の乗客がいないことが確認された。
 デモ飛行はスカイ・アビエーション社が十二機を調達する予定のSSJ100の初飛行で、メディア関係者を乗せ、宣伝を目的としたもの。
 午後九時ごろ、スホイ社の代理業者、トリマルガ・ルカタマ社のスナルヨ氏らは記者会見で「飛行機の状態は最高だった。(もし墜落していたら)補償はロシアのスホイ社から支払われる。まだ何が起きたかわからない」と語った。
 ロシアのスホイ社が製造するSSJ100は二〇一一年から運用を開始。国軍は同社から戦闘機を購入している。最近は「Su―30MK2」六機の購入契約をめぐる汚職疑惑が取りざたされていた。
 ロシア国営メディア「ボイス・オブ・ロシア」によると、SSJ100は、デモ飛行のアジアツアーでジャカルタに到着。その前にはミャンマー、パキスタン、カザフスタンを訪れ、各国の政府要人や軍指導部に披露された。

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