コロナ禍の入学シーズン 各地の日本人学校 オンライン入学式も検討
新型コロナウイルスの感染拡大で、在留邦人を取り巻く生活環境が日々変化する中、今年も入学式の季節がやって来た。国内にある各日本人学校では、それぞれの事情に応じた対策を講じる。
ジャカルタ日本人学校(JJS、バンテン州南タンゲラン市)では、全校生徒の約半数が現在、日本に一時帰国している。本帰国も視野に入れ、子どもを日本の学校に体験入学させる家庭も少なくないという。
同校は5月29日まで臨時休校となっている。6月に入ってからは、小・中学部の始業式を2日、入学式を3日、幼稚部では始業式と入園式を8日に予定している。ただ、状況の変化に応じて、さらに延長される可能性もある。同校では、休校期間中の学力低下を防ぐため、小・中学部の在校生向けに、前年度の学習内容などを復習教材を配信している。
また、幼稚部では「自宅待機の子どもたちに明るい話題を」(同部担当者)と、前年度の卒園児と新年長児を対象に、フェイスブックページを通じて体操や読み聞かせなどの動画を配信している。
バンドン日本人学校(BJS、西ジャワ州)は、11日まで休校を予定しているが、再開時期については「教育当局の正式発表を待っている段階」(同校担当者)という。13日ごろを予定している始業式と入学式については、それまでに当局から学校再開が許可された場合、校庭などの屋外で実施。許可が降りなかった場合は「オンライン入学式」を検討。無料通信アプリのLINE(ライン)を通じて、祝辞などの動画を配信するという。
休校期間の延長に備えて、オンライン授業の導入も検討している。小・中学部の生徒数は合計12人。「少人数の学校という利点を活かし、生徒ごとに合わせた学習をサポートしたい」(同校担当者)。
スラバヤ日本人学校(SJS、東ジャワ州)では、23日に暫定的な入学式と始業式を行う予定。外国人の入国禁止措置で新任の教員が赴任できないためで、赴任次第、正式な入学式を行うという。ただ、同州スラバヤ市の方針次第では、仮の入学式・始業式も延期の可能性があるという。
チカラン日本人学校(CJS、西ジャワ州ブカシ県デルタマス)のホームページによると、同校では6日時点で、22日の入学式・始業式の開催を目指している。
(高地伸幸)