デリバリーで生き残り 来客数急減で 日系飲食店

 インドネシア政府による新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛の影響で、来客数の急減に苦しむ日系飲食店は、デリバリーサービス対応などで生き残りの道を模索している。
 ランチタイムの客数が通常の半数程度まで減少したという、南ジャカルタのスミットマスにある日本料理店「美卯・石鍋」は昼食・夕食向けに弁当のデリバリーを始めた。周辺の会社に勤務する日本人駐在員や、南ジャカルタ在住の日本人主婦などを中心に、多くの注文が届いているという。
 配車アプリのゴジェックやグラブなどの飲食物宅配サービスの使い方が分からない邦人のため、店側がゴジェックの配達サービス「ゴーセンド」を使った配達も行う。会社や家庭で雇っている運転手が、店舗まで出向いて受け取ることも可能。注文は同店オーナーの松田由美さん(携帯0813・8023・7700)が受け付ける。
 中央ジャカルタのシティーウオーク内にある「鉄板居酒屋・つぼ八」でもデリバリーを行っている。定食からつまみまで、生もの以外なら店内と同じように注文できる。電話(021・2970・4016)で注文を受け付けている。
 一方、デリバリーが可能なエリアは、スタッフが運べる徒歩圏内に限っている。「人との接触を最小限にしたい」(長谷川剛文店長)。少しでも感染の可能性を排除しようと、ゴジェックなどの宅配サービスは見送ったためだ。
 今後の課題は、電子レンジなどを使って自宅で加熱処理ができるメニューの考案。長谷川店長は「例えば鍋料理。スープをどう保存するかといった未解決の問題もあるが、保存も可能になってより多くのニーズに応えられる」と期待する。
 ジャカルタ特別州内で飲食店などを複数経営する大世グループは、日本食スーパー「じゃかるた市場」のウェブサイト(http://jakaichi.com/)を通じて、野菜や肉などの生鮮食材や惣菜の配達を行っているが、近日中にキラキラ銀座や大東京酒場などグループ傘下の飲食店にも対応させる。
 今後の課題に「配達先での商品の受け渡し」を挙げる。多くのアパートメントが部外者の出入りを制限するようになり、部屋まで直接配達することが難しくなっているという。(高地伸幸、長谷川周人)

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