庶民の予防意識に〝温度差〟  新型コロナ スラムでの感染拡大に警鐘

 ジャカルタ特別州のアニス・バスウェダン知事が、新型コロナウイルスの感染拡大に対する「緊急対応」を宣言したのが20日。州内の企業では在宅勤務への切り替えなど対策が進む。その一方で「カンプン(集落)」など人口密集地帯の住民の間では危機意識を共有しておらず、また対策方法が分からず困惑する姿が見られるなど、感染予防への認識の〝温度差〟が鮮明になっている。
 中央ジャカルタ区タナアバンを通るチリウン川の支流沿いにはトタンやべニアを組み上げてつくった住居が数百メートルに渡ってびっしり並んでいる。古くから低所得者層が集まる州内有数の規模のカンプンだ。
 生まれた時からこの地域に住んでいるというヌルアニサさん(40)は、夫と祖母、2人の息子の5人暮らしだった。夜は家族が川の字になって就寝するなど、濃厚接触が避けられない状態だが「ジャムー(伝統薬)を毎日飲んでいるから大丈夫よ」。ヌルアニサさんの夫も「RW(町内会)でコロナ対策について話し合ったことなんてない」とあっさりしている。
 一方、感染拡大に怯えながらも、具体的な対策が分からずに困惑する人もいた。同地区の指輪職人のロニさん(33)はワッツアップを使い、友人との間で新型コロナウイルスに関する情報を交換しているが、「ホークス(偽情報)があまりに多く出回り、何が正しいのか分からない」と頭を抱える。
 近くに住む別の男性は、「感染を防ごうと思っても、マスクや消毒液は値段が上がりすぎた。アニス知事は都心の対策ばかりでなく、もっと庶民に目を向けて欲しい」と訴えた。
 中央統計局(BPS)の統計(2017年)によると、ジャカルタ特別州内にある445カ所の町内会が「スラム」に該当し、人口が過密状態にあり公衆衛生が行き届いていないという。英国開発学研究所(IDS)のアニー・ウィルキンソン氏は、人口密度の高いスラム街では自己隔離や清潔な水を使った手洗いなどが難しく、「他の地域に比べて新型コロナ感染の危険度が高い」と警鐘を鳴らしている。(高地伸幸、写真も)

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