存在感アピールか 212同窓会 インド大使館前でデモ再び

 イスラム保守派勢力で構成する「212同窓会」のメンバーらが13日、南ジャカルタのラスナサイド通りにあるインド大使館前で気勢を上げた。インド国内におけるヒンズー教徒によるイスラム教徒迫害に抗議。主催者側によると、デモ参加者は約300人が集まったという。インド大使館前のデモは、6日に続き2回目。その背景には、2024年の大統領選挙に見据えて存在感をアピールし、新たな後ろ盾を得たいイスラム保守派勢力の狙いもありそうだ。
 大使館前で参加者は「インドはテロリスト、モディ首相は悪魔」などシュプレヒコールを上げた。デモに加わったインドラさん(34)は、「ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領には、インドで虐げられたムスリム同胞を守るため、毅然とした態度を望む。それが出来ないなら支持しない」と声を荒げた。
 「212同窓会」は、宗教冒とくの罪で起訴されたバスキ・チャハヤ・プルナマ(通常アホック)元ジャカルタ特別州知事に抗議し、2016年12月の大規模集会を主導したイスラム保守派の集まり。17年のジャカルタ特別州知事選挙では、アニス・バスウェダン氏の票田として役割を果たした。さらに昨年の大統領選挙では、イスラム擁護戦線(FPI)など他の保守派勢力と並んでプラボウォ・スビアント候補の支持基盤となるなど、政治的な影響力を伸ばしてきた。
 212同窓会は16年以来、毎年12月2日に集会を開催。大統領選挙の投票日の約4カ月前の集会では、約10万人(警察発表)を集めている。
 しかし、当選したジョコウィ大統領が、イスラム保守派勢力の封じ込めを狙ってプラボウォ氏を国防相に登用すると、後ろ盾を失った211同窓会は、求心力に陰りが見え始めた。19年12月に行われた選挙後初の大規模集会では、参加者が約1万2500人(警察発表)に留まり、勢力の衰退を際立たせた。(高地伸幸、写真も)

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