邦人の健康支え25年 共愛メディカル 家庭から職場まで

 「共愛メディカル・サービス」は4月に設立25周年を迎える。設立当初は、日本人駐在員の健康診断を主な事業としてきたが、2011年ごろから日系企業を中心にインドネシア人従業員向けの健康診断にも注力し、現在では健康診断の受診者のうち約60%がインドネシア人。診断結果を踏まえ、職場の衛生環境改善などを提案するアフターサービスが支持を得て、契約数を伸ばしてきたという。

 同クリニックのダルマ・サトヤヌガラ・ディレクター(49)は「健康診断して『ハイ終わり』ではなく、日本人が安全に生活できるようなサポートがしたい」と、同社が行うアフターサービスの意義を説明する。
 共愛メディカル・サービスは、生命保険会社、協栄生命保険(現ジブラルタ生命保険)が「協栄ジャカルタ・メディカルセンター」として1995年に設立。2000年に協栄生命保険が経営破綻すると、インドネシアの財閥大手、サリム・グループの傘下に入った。さらに2010年にダルマさんがダイレクターに就任すると、「共愛メディカル・サービス」に改称し、現在に至る。
 「健康診断はシンガポールで行うのが常識だった当時のジャカルタ」(ダルマさん)で、日本人駐在員を中心に順調に来院数を伸ばしたが、2011年ごろ、鳥インフルエンザが国内で流行すると雲行きが変わった。駐在員やその家族の帰任が相次ぎ、受診者数が激減。「ディレクター就任早々、壁にぶち当たってしまった」(ダルマさん)。 そこで注目したのは、インドネシア人従業員の健康診断需要。「スマートフォンの普及で、ネットで健康について調べるインドネシア人が増え、健康意識が高まり始めていた」とダルマさんは当時を振り返る。こうした背景もあって企業側からは、より設備の整ったクリニックで従業員の健康診断を受けさせたいという声が上がる様になり、受け入れが始まった。
 さらに、企業が抱える全従業員の診断結果を横断的に分析することで、その会社全体が抱える健康問題が見える様になり、衛生環境の改善提案などが可能となった。例えば、ある企業ではレントゲン検査の結果、従業員に約70%に、肺に粉塵のようなものが蓄積していることが分かった。クリニックで調査したところ、隣接する木工加工業者の出す木屑が原因であることが判明したという。
 同クリニックは現在、ジャカルタ特別州の本院のほか、東ジャカルタ工業団地(EJIP)、カラワン工業団地(KIIC)、スルヤチプタ工業団地、バリ島の計4カ所で分院を展開する。在留邦人のベッドタウンや勤務先の多い地域に今後も新規進出を目指すほか、人口知能(AI)を活用した最新機器の導入も進める。
 ダルマさんの父親は、東京大学などで脳外科医を務めてきた。自身は米国でMBAを取得し経営畑を歩んできたが、「医師としての考え方は、父を見て学んだ。常に安全・安心な医療を日本人に提供できれば」と話している。(高地伸幸、写真も)

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