クルーズ船員帰国の途に 新型ウイルス問題 2隻の250人余、島に隔離へ
新型コロナウイルスの集団感染が起きた横浜港のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」のインドネシア人船員78人のうち、健康と診断された69人(うち女性2人)が日本時間1日、下船した。インドネシア外務省が明らかにした。
国家防災庁(BNPB)によると、羽田発の政府チャーター機で帰国の途に就き、1日深夜に西ジャワ州クルタジャティ空港に到着予定。船員らはバスでインドラマユに向かい、海軍の病院船「DRスハルソ」でジャカルタ沖プラウスリブの無人島のスバル島に移され、隔離・経過観察を受ける。
同船では9人のウイルス感染が確認され、東京と千葉で治療を受けるなどしている。
これに先立ち、政府は2月26〜28日に、リアウ諸島州海域にいたクルーズ船「ワールドドリーム」のインドネシア人乗組員188人(うち女性16人)もDRスハルソで収容、スバル島に移送した。ダイヤモンド・プリンセス船員が加わり、同島には計250人超が隔離されることになる。
政府は隔離期間について、ワールドドリーム船員が14日、ダイヤモンド・プリンセス船員は28日としている。
ダイヤモンド・プリンセス船員について、保健省幹部は先に、病院船で検疫しながら帰国させるのが適当との考えを示していた。しかし、横浜停泊は2月3日以来の長期に及び、インドネシア人船員が「先日まで検疫中の乗客へのサービスを続けてきた」などと厳しい状況を訴え、早期帰国を求める動画がインターネットで拡散する中、政府は航空機での帰国を決めた。
■邦人女性感染、イ渡航歴
時事通信によると、マレーシア保健省は2月28日、日本人女性(41)の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。
女性はマレーシアで働いていて1月に日本、2月上旬にインドネシアへの渡航歴があった。
17日から発熱し、クアラルンプール市内の病院に入院後の27日に感染が判明した。
また、マレーシア保健省は、これまで中国に限ってきた渡航延期勧告の対象に、日本、韓国、イタリア、イランの4カ国の感染者発生地域を加えた。日本などからの入国者は特別カウンターで健康状態が検査される。(米元文秋)