イ柔道、栄光再び 講道館 日本から指導者派遣

 柔道の普及活動を行う公益財団法人の講道館(東京都文京区)は28日から2月1日まで、インドネシア柔道連盟(PJSI)に指導者2人を派遣。インドネシア人の柔道指導者100人を対象に、形の指導や昇段審査を行っている。同連盟は今後の目標を2024年にフランスで開催されるパリ五輪での銅メダル取得に設定。同連盟のバクティアル事務局長は講道館の支援を得て、「インドネシア柔道の栄光を再び手にしたい」と意気込んでいる。     

 今回の指導者派遣は、講道館と国際交流基金アジアセンターによる柔道交流事業の一環。同事業は17年に始まり、インドネシアが9カ国目の指導者派遣となった。

 派遣されたのは講道館の国際部の大辻広文課長(55=6段)と、柔道指導部の下山陽邦課長代理(41=6段)の2人。大辻さんはインドネシア柔道について、「アセアン(東南アジア諸国連合)の中では高いレベルにあるが、アジアや世界と戦えるまでには達していない」と指摘。「強くなるには短時間の稽古ではなく、基礎からのステップアップが重要だ」として今回は主に形の稽古に力を入れるという。

 インドネシアは1989年と91年の東南アジア競技大会(シーゲームス)で、14階級中10個の金メダルを2大会連続で獲得するなど、アセアンにおける「柔道大国」として、名を馳せてきた。しかし、他のアセアン諸国が追い上げ、レベルはきっ抗。さらに98年のアジア通貨危機の影響で強化費などの捻出が難しくなり、2000年以降は苦戦が続いた。シーゲームスの金メダル獲得数もタイやベトナムの後塵を拝すようになり、13年には金メダル獲得を逃した。

 しかし、18年に開かれたアジア競技大会の開催地がインドネシアに決まった14年、インドネシアは全競技で16個以上の金メダル獲得目標を設定した。
 国を挙げて柔道を始めとする選手強化の機運が高まるなか、インドネシア柔道代表は15年と17年のシーゲームスの金メダル獲得数で2大会連続の首位入り。アジア競技大会でも柔道は銅メダル、全競技では目標を大幅に上回る金31個という快挙を遂げた。次の照準は24年のパリ五輪。同連盟は講道館との交流事業の続行を求めている。(高地伸幸、写真も)

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