「ネットフリックスはハラム」騒動 性的、暴力的な表現で MUI報道否定

 複数の地元メディアは23日、イスラム学者会議(MUI)のファトワ(宗教見解)委員会が、インターネット動画配信サービス「ネットフリックス」の性的、暴力的な表現が含まれたコンテンツを問題視し、「ハラム(イスラムの教義に反する)」とするファトワを準備していると伝えた。これに対しソーシャルメディアでは対応が「過剰」だとする利用者からMUIへの批判が噴出、MUIが「報道内容は事実と異なる」との声明を出す騒動となった。

 地元メディアの報道によると、同委員会のハサヌディン委員長は、インターネットを介してインドネシアの法的、宗教的な規範に沿わない映像作品が海外から流入していると説明。「国民を守るため、ネガティブなコンテンツをブロックしなければならない。ネットフリックスのコンテンツも含まれる」と指摘。「MUIは長い時間をかけず、ファトワを出せる」とも話した。
 一方、ハサヌディン委員長は報道を受け「ネットフリックスが何か自分ではよくわからない」として、「ハラム指定」報道は誤りだとした。MUI事務局によると、ネットフリックスのコンテンツに対して問題視する意見があるのは事実だが、対応については「まだ議論中」だという。
 ネットフリックスは米系映像配信サービスで、2016年にインドネシアでサービスを開始した。だが、インドネシアの通信大手テルコムは性的、暴力的コンテンツが含まれるとし、同グループの端末からはブラウザでアクセスできないよう規制している。
 インドネシアでは、イスラム教を背景に性的、暴力的な表現があるコンテンツが厳しく規制される。またイスラム擁護戦線(FPI)など強硬派団体も国内外の「過激な」コンテンツに対して激しく反発、インドネシアで「ミヤビ」の愛称で絶大な人気の元アダルトビデオ女優、小澤マリアさん主演のインドネシア映画が製作された際には、抗議デモが行われ、ロケが中止になった。
 12年には米女性歌手レディー・ガガさんのジャカルタ特別州での公演が強硬派からの襲撃予告を受けて中止になった例もある。

■産業育成に期待も
 ジョニー情報通信相はネットフリックスに「国内の規範」に対応した事業の展開を求めているが、映像産業を育てるプラットフォームとして期待する発言もしている。また教育文化省は同社と映画製作者の教育プログラムで協力する。 
 また財務省からは国内法令が不十分で同社から未徴収の税金があるとして、重複法令を改正、統合、廃止する「オムニバス法」が国会で採決されれば、課税が強化されるとの情報もある。ネットフリックスの今後についてはさまざまな利害が絡むとみられ、行方が注目される。
(大野航太郎、写真も)

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