「ずっと働きたい」 愛知県豊田市  特定技能、元実習先の会社へ

 4月新設の在留資格「特定技能」で来日したインドネシア人は、昨年9月末時点では、まだ33人だ。来日した特定技能のインドネシア人は、どのような思いで〝早めの〟スタートを切ったのか。インドネシア人が日本国内で最も多い愛知県で、企業を訪ねた。

 元技能実習生のバンバン・ヌスティアマンさん(39)とルッキ・ルキナン・ハキムさん(29)は11月に、元実習先の自動車部品の製造業者「明和工業」(豊田市)で働くため、特定技能のビザで来日した。2人は2012〜15年に同社で実習した後に帰国、同社関連会社から特定技能の再来日で声がかかった。
 バンバンさんが再び日本で働きたいと思ったのは「インドネシアで仕事を探しても難しかった」ためだ。約20社に応募したが、返事はなかった。「求職者に外国での経験があると、企業は給与を高くしないといけなくなり、問題になる」と感じる。このため、日本での経験をふせた経歴で応募したことも。結局は、日本でのスキルを生かせる仕事に出会えなかった。
 ルッキさんも5社に応募した後、親の会社を手伝うことに。「会社を成長させる資金が必要」と再来日を考えた。
 2人の給与は、技能実習の時に比べて月給が約1割増。年2回の賞与もある。作業工程全体を見るような責任のある仕事も任せられるようになった。特定技能は転職可能な制度だが、2人は「(同社で)ずっと働きたい。いい会社だから」と口をそろえる。
 バンバンさんは「社内のコミュニケーションがあり、(生活と仕事の)安心、安全につながる。働きやすい。プロになれるので働き続けたい」と話す。ルッキさんは「もし転職をするなら、一から勉強をしないといけない。会社にもすぐに慣れない」と、転職の考えはない。

■「リーダーになって」

 同社は約15年前から、インドネシア人実習生を受け入れてきた。「またあの人と働きたい」。特定技能の受け入れは、現場のニーズを受けて導入した。特定技能の採用で声を掛けたのは、部長、課長らから推薦のあった元実習生たち。
 同社の杉浦義忠社長(38)は「実習生で頑張った人にまた来てもらいたい。彼らがリーダーになり、5年、10年と働き続けてほしい。一生懸命に働いてもらい、サクセスストーリーができたらいい」と期待する。技能実習の受け入れも続けたい考えだ。
 転職可能な点については「夢があって転職するのはいいと思うが、給与の問題で転職される心配はしていない」と話す。「会社をいいと思ってくれて、また来てくれたと思う」からだ。「どんな人でもいいからと(特定技能の外国人を)受け入れる会社は、あまりないと思う」。同社も、自社で経験のある元実習生だけを特定技能の受け入れ対象にしていく予定だ。「みんなの性格を知っていて、会社のことも分かってくれているので、来てほしい」
 同社では現在、25人のインドネシア人実習生のほか、インドネシア人班長、ブラジル人係長が働く。派遣社員を含め、約150人の従業員のうち2〜3割が外国人だ。「すぐ辞めてしまう人は日本人にもいる。問題は外国人だからではなく、個々の人の問題だ」と杉浦社長。職場では、インドネシア人チームが製造ラインに並び、手際よく作業を続けていた。

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