介護人材1割をインドネシア人らに バンドンとタッグ、日本語教育 愛知県豊田市

 愛知県豊田市は、西ジャワ州バンドン市と介護人材の分野で協力を進めている。2025年までに550人の介護人材が不足すると試算し、その1割をインドネシアを中心とした外国人とする目標を掲げる。昨年12月にはバンドン市の担当者が豊田市を訪れ、日本へ向かう人材の育成を目的とする研修センターをつくる意向を示した。
 製造業の街、豊田市は、有効求人倍率が全国トップクラス。介護分野の倍率は特に高く、人手不足が深刻だ。これまで、国の制度を活用した外国人の介護人材はフィリピン人が中心で、昨年12月11日時点で計38人。インドネシア人は11月に2人を初めて受け入れた。
 一方、バンドン市は失業率を引き下げたい考え。17年に両市はスマートシティーの計画に関する基本合意書を締結。その中で、介護人材の交流を進める方針を示した。
 合意書に関係し、バンドン市のインドネシア教育大学とパジャジャラン大学で看護を学んだ卒業生に対し、日本語教育を行う枠組みが9月から始まった。教育費用の大半は、受け入れ事業者が負担。日本語教育の実績のある「インドネシア介護人材教育センター」が教育を担い、「将来のリーダー」(豊田市)となる人材の育成を目指している。
 12月11日時点で14人が学んでおり、日本語の試験に合格した後、ことし6月以降に同市の施設で受け入れる予定だ。来日後は、介護福祉士の国家資格の取得のために、無料の受験講座を実施。同市はこの枠組みを中心に人材を受け入れる。
 豊田市役所での協議でバンドン市労働局のアリエフ・シャイフディン局長は、同市に多くの大学や高等教育機関があり、日本語・日本文化学科を持つ職業訓練機関が35カ所、介護の実習生を育てられる教育機関が、高校、大学、職業訓練校で計31校あると説明した。
 さらにアリエフ氏は、日本への送り出しに特化した研修センターをつくり、「日本のニーズに合った」技能と日本語の教育に取り組む意向を示した。両市の取り組みを「パイロットプロジェクトとして全国に波及させたい」とも伝えた。
 「送り出し団体の中には、実際には求人がなく、警察に調べられた例もある。求職者がお金を払っても、日本に送られないことがあった」と課題を紹介。悪質ブローカー排除のための、同市が認めた送り出し団体のみを利用するよう呼びかけ、業者や人材の情報共有を両市で進めることを求めた。
 この協議の後、アリエフ氏は特別養護老人ホームを視察した。「大学を卒業した人も満足して働ける。このような施設を、バンドンにもつくりたい」と語った。

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