再び洪水、3000戸被害 カラワン、川が一時氾濫

 西ジャワ州カラワン県で9日に降った豪雨によって、同県を流れるチベエット川やチタルム川などが氾濫を起こした。同県の災害対策局(BPBD)によると10日時点で、同県の民家3011戸で最大60センチ浸水した。同県では1日の豪雨でも洪水が発生しており、2回の洪水で計18の村が冠水した。
 同県BPBD担当者は「10日夜には水が引き、ほとんどの住民は自宅に戻っている」という。
 同担当者によると、2回の洪水は同県での豪雨に加え、チベエット川やチラルム川を通じて、隣接するプルワカルタ県やバンドンから雨水が流れ込んだことで引き起こされた。
 同県には西ジャワ州ブカシ市に通じるマラン川も流れており、「自県と首都圏の洪水対策を同時に行っている状態」という。「洪水対策に県や州の境目は関係ない。関係する自治体が、ひとつのテーブルで話し合わなければ」と話した。
 11日、同県北部のチラマヤ郡では目立った被害は見られず、住民は普段と変わらない生活を送っていたが、一部の道路では水がたまっていた。
 同郡在住のラニさん(12)は「10日の雨で自宅前の排水溝にごみが詰まって水があふれた。自宅の雑貨店が、床上約30センチまで浸水した」と話した。店内の水は「10日のマグリブ(日没後の礼拝)には引いた」というが、店の前には深さ約50センチの水たまりができ、バイクや車が通行するたびに水が波打っていた。
 同郡で建設中の、国営石油・ガス会社プルタミナのガス火力発電所では、敷地の一部が冠水。建設作業員によると、9日と10日の作業を一部中断したが、11日には再開したという。
■12日は首都圏豪雨なし
 気象庁(BMKG)によると、豪雨を予報していたジャカルタ首都圏(ジャボデタベック)で、11日午前7時〜12日午前7時の24時間降雨は4~10ミリ程度だった。BMKGは13、14両日、首都圏の一部で小雨が降ると予報している。
 国家防災庁(BNPB)は8日、1日にジャカルタ首都圏(ジャボデタベック)や西ジャワ州の広域で発生した洪水で、首都圏の水が全て引いたと発表している。
 配電設備と非常電源が被災し、1日から停電が続いていた西ジャカルタ区のモール「タマンアングレック」上部のアパートでは、10日から国営電力PLNの電気が一部復旧した。
 同アパートの住民によると、アパート管理会社は住民に対して給湯器を使用しないよう呼びかけて節電を促しているが、住民は部屋に戻りつつある。ショッピングモールの停電は12日時点も続いている。
 BNPBによると12日午前6時時点で、ジャカルタ特別州の避難民は814人まで減少した。一方、土砂崩れが相次いだ西ジャワ州ボゴール県では2万1742人が、バンテン州ルバックでは5106人がそれぞれ避難している。(高地伸幸、写真も)

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