高殿良博さん死去 日イで教授歴任、大使賞も

 亜細亜大学国際関係学部学部長や南ジャカルタのブディ・ルフール大学教授を歴任、日本関連情報の発信に尽力したとして昨年12月に在外公館長(大使)表彰を受けた高殿良博さんが15日、東京都で死去した。77歳。
 広島県出身。ことし7月に悪性リンパ腫が見つかり、都内の病院に入退院を繰り返していた。葬儀は19日、東京都調布市で行われる。
 高殿さんは1965年に青山学院大学経済学部を卒業後、アジア・アフリカ語学院(東京都三鷹市)でインドネシア語を習得した。77年にインドネシア国営ラジオ局(RRI)に就職。ラジオパーソナリティとして勤務する傍ら、現地の大学で日本語を教えた。82年に日本に帰国し、翌年から亜細亜大学で教壇に立った。2002年から06年まで同大国際関係学部の学部長を務めた。
 09年に亜大を退職し、インドネシアに再渡航。南ジャカルタのアル・アズハル大学教授を経て、13年から18年まで同区のブディ・ルフール大学にアドバイザーとして勤務。同大では日本政府機関や日系企業社長を講師に招いた授業の企画・運営を担当。自ら大使館や企業を訪ね、講師集めに奔走した。同大役員の鈴木美香さん(48)は「大学のスタッフや学生の道しるべになる、船長さんのような方。人格者で、心より尊敬していました」と話した。
 インドネシアの言語、社会、文化など幅広い分野で論文を発表。また高殿さんが編さんに携わった「インドネシア語基本単語2000(共著、語研=92年)」や「プログレッシブ・インドネシア語辞典(共著、小学館=18年)」は、学生やインドネシア在留邦人などのインドネシア語学習者に重宝されている。
 18年3月に同大を退職し、4月に帰国。同年12月に在外公館長(大使)表彰受賞のためにジャカルタを訪れたのが、最後の来イとなった。(高地伸幸)

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