#在尼鍋会 バズった インドネシア暮らしでSNS頼りに 鳥@ジャカルタ駐在妻さん

 ツイッターの通知が何度も来た。「インドネシアに住んで〇年です」「〇の家族と暮らしています」。普段は顔の見えないフォロワー仲間が、「#在尼鍋会」で次々と自己紹介をしていた。ハッシュタグ(#)をたどると、企画者の「鳥@ジャカルタ駐在妻」さんにたどり着いた。企画の意図は——?

 「第一回Twitterバーチャル交流会を開催します」。すぐに#の原点のツイートにたどりつき、DMでコンタクトした。鳥@ジャカルタ駐在妻(@Wataridonari)さん(33)は、夫の駐在を機に1年3カ月前にインドネシアに引っ越してきた。現在は休職し、長女(3)と長男(1)を育てる。
 企画のきっかけは、アメリカの日本人ユーザーたちが交流する「#在米鍋会」。タイムラインに#在米鍋会が流れてきたのを見て、「普通に鍋を囲んだ会をするかと思ってたら、ツイオフ会みたいになっていて」。インドネシアでも交流できたらと「深い意味はなく、思い付きで始めてきた」。
 「インドネシアのコーヒーとサテとナシソトプタヴィが好きです。在尼歴はまだまだ浅いですが、よろしくお願いします!」。鳥さんが17日に始め、フォロワーの多いユーザーらが在尼鍋会をリツイートすると、徐々に拡散。期間限定で17〜22日の1週間で、「#在尼鍋会」のつぶやきは約140に上った。「#インドネシアお土産選手権」「#好きなインドネシア料理」と、派生した#も生まれた。
 「インドネシア人妻と2018年に結婚。ジャカルタを紹介するブログやってます。本業は広告系」(jakameshi@ジャカルタブログ運営さん)、「初めてツイートします。バティックの仕事で来るうちにこの国が大好きになりました」(らくごみちさん)。日本人界隈のインフルエンサーや、初めてつぶやく人ら、それぞれの人の顔が見えた。
 鳥さんは、「『在尼の日本人のツイッターは、インドネシア人に影響されて、穏やかと』というようにつぶやいている人がいた。私も思い付きで#在尼鍋会を始めたのに、たくさんの人に参加してもらい、温かさを感じた」と振り返る。「ほかの地域の生活風景が見えたのが印象深かった」と自己紹介者のつぶやきの地域をマッピングし、各地の活動をブログでまとめた。
 鍋会の中には、ツイッターに海外生活を支えられる人々のつぶやきも。「夫、5歳&2歳の子どもがいます。Twitterの皆様のおかげでインドネシア生活の満足度が急上昇←←」(yurkさん)。
 鳥さんも、駐在後にツイッターに支えられた。言葉の壁があり、生活のことがわからず、駐在妻らのアカウントをフォロー。「片栗粉はどれ?」と投稿すると、すぐに返事があり、写真と一緒に教えてくれた。「日本では分からないことを友人に聞けばよかった。人見知りなのもあり、話をして情報を聞くことがうまくないけれど、ツイッターだと困っている意思表示がしやすい」と話す。駐在当初、長男は生後7カ月。日本のように子育て支援施設がなく、ネットで情報を集めた。
 ツイッターで知り合いになった人とは、半年で約20人とリアルな場で会った。「ツイッターだと、どんな性格、興味のある人かがわかり、会ってから初対面でも話しやすかった」と話す。鍋会つながりで、コーヒーが好きなユーザーたちと会う約束もできた。「今後はリアルな鍋会をしてみたい」と鳥さん。日本人界隈のバーチャルとリアルがつながろうとしている。

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