電動キックボード利用拡大 グラブ 事故で2人死亡、危険視も

 配車大手グラブが展開する電動キックボード「eスクーター」の利用が、ジャカルタ特別州内で拡大している。同社広報によると、14日までに千台以上を配備し、若年層を中心に注目を集める。しかし、10日には中央ジャカルタ・スナヤンで利用中の18歳の高校生2人が死亡、4人が負傷する事故が発生し、利用を危険視する声も出ている。
 事故は未明、ブンカルノ競技場の3番出口付近で、同州の高校生男女6人が片道2車線の車道走行中に自動車に追突された。
 eスクーターはグラブのレンタルサービスで、モーターによって走行を補助する。ヘッドライトと自転車と同様の警音ベルが付いている。スマートフォンアプリを通して付近の専用駐車場を探し、QRコードを読み取って借りる。レンタル料は電子マネーで払え、18歳未満の搭乗や2人乗り、車道走行は禁止だ。
 事故現場周辺はアイドルグループ「JKT48」の劇場が入るモール「fXスディルマン」や大量高速鉄道(MRT)スナヤン駅がある商業地域。14日に訪れると、多数の若者がeスクーターを楽しんでいた。
 ガールフレンドと観光に来て試した西ジャワ州ブカシ市の大学生、イファンさん(20)は「友達に自慢する」と満足そう。ジャカルタ特別州の大学に通うナビアさん(19)は「短い距離を友達と走るのに便利。今までなかった乗り物」と絶賛。歩道で友人3人と記念撮影をしていた。歩道が工事やカキリマ(移動式屋台)で塞がれているときは車道を通るが、「道路端を気をつけて走れば問題ない」という。
 一方で、スディルマン通り沿いを歩いていた会社員のジェフリーさん(47)は「歩道でスピードを出しており、(ぶつかられる)恐怖を感じることがある」と話す。2人乗りなど、違反運転も目立つという。グラブのオートバイ運転手、リドワンさん(43)は「車道を走っているキックボードと衝突しそうになったことがある。ヘッドランプをつけない人もいるし、小さな(警音)ベルの音じゃ聞こえない」と話した。
 グラブはシンガポールで先行してサービスを開始したが、安全上の懸念から、4日に当局が歩道での走行禁止を発表、自転車用の道のみで走行できるとしている。欧米でも別会社によるシェアサービスが展開されているが、フランスでは歩道走行の原則禁止や速度制限が発表された。
 インドネシアでも今回の事故で波紋が広がっている。地元メディアによると、運輸省はサービス停止を示唆。警察は毎週日曜のカーフリーデーでの走行や、高速道出入り口周辺での専用駐車場の設置の禁止を求めている。
 事故に対し、グラブ・インドネシアのリズキ・クラマディブラタ社長はじゃかるた新聞の取材に「お悔やみ申し上げる。遺族を支え、関係機関と協力しサービスを改善していく」と電子メールで述べた。(大野航太郎、写真も)

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