防虫施工事業を開始 フマキラー 現法は来年30周年

 フマキラーはインドネシア国内で、新規事業として法人向けを含めた防虫施工・コンサルティング事業を開始する。来年30周年を迎える同社のインドネシア法人は蚊取り線香の販売で躍進、近年は殺虫スプレーでも急速にシェアを伸ばした。それらに続く「第3の事業」として取り組みを進めていく。
 同社は1990年に現地法人フマキラー・インドネシアを設立。蚊取り線香を中心に販売を進めた。97年まで赤字経営が続いたが、ワルン(露店)など小売店への直接販売で営業を強化、地元競合企業の事業縮小も追い風となり、全国に販路を広げていった。
 現在では、インドネシアがフマキラーの蚊取り線香製造量で世界最多となり、各国に輸出している。現地法人は売り上げの半分以上を蚊取り線香で稼ぐ。フマキラー全体で海外事業が売り上げの4割以上を占めるが、インドネシアはその中でも一番の拠点だ。
 国内では近年、コンビニや量販店で、殺虫スプレーの販売も強化している。日本では「おすだけベープ」の名前で知られる「ワンプッシュ・ファペ」は、少量を一回噴霧するだけで細かい粒子の殺虫剤が部屋の隅々にまで拡散し、部屋中の蚊を殺す。さらに壁やカーペットに付着した薬剤が再蒸散し、殺虫効果が持続することが市場に受け入れられヒット商品に。関連商品を含め、殺虫剤全体で国内シェア1位に浮上した。
 害虫防除サービスの提供は来年から本格化する。それに先駆け、日系企業向け第1弾案件として、デルタマス・シティー(双日と大手財閥シナル マス・グループの合弁で開発・運営)内のサービス・アパートメント「ル・プルミエ・コタデルタマス」でサービスを開始。ことし開校したチカラン日本人学校(CJS)でも防虫管理を始めている。
 一般消費者向けの事業で知名度が上がっていく中で、法人・住宅用の防虫管理のニーズが高まっていることに気づいたことが、事業のきっかけだった。国内では、デング熱やジカ熱などの感染症で亡くなる人が後をたたない。日本の技術を生かした安心・安全な防虫管理やコンサルティング業務を、インドネシアでも活用できないか模索した。
 大手企業複合体の害虫駆除会社と提携し、共同でホテルやアパートメント、飲食店などに営業をかけていく。インドネシアの物件に合う業務用製品の開発も進める。
 事業を担当する富谷達治さんは「虫がいたら殺せばいい」という考え方ではなく、「外からの浸入を防ぐ」という心構えが大事として、物件別のコンサル活動を推進していく方針だ。
 「祖業」である蚊取り線香の販売は、売れなかった初期は無料で配って試してもらうことから始まった。富谷さんは「一般消費者向け事業から、これらの業務用サービスまで展開するのは、国内ではフマキラーだけ。従来とは大きく変わる業務用事業をどれだけ知ってもらえるかが、一番大事」と話す。(平野慧、写真も)

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