「国防分野で協力」  大連立視野に組閣 プラボウォ氏に要請

 インドネシアのジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は21日、大統領選の対抗馬で最大野党グリンドラ党のプラボウォ・スビアント党首(68)に対し「国防分野での協力」を要請した。第2期政権の組閣に取り組んでいるジョコウィ大統領に、中央ジャカルタのイスタナ(大統領宮殿)に呼ばれたプラボウォ氏が、記者団に明らかにした。閣僚は23日に発表される見通し。 

 ジョコウィ連立与党は、既に国会議席の約6割を占めているが、グリンドラ党などの野党からの入閣が実現すれば、強大な大連立政権が樹立されることとなる。約20年前のスハルト独裁政権崩壊・民主化過渡期以降の「弱い大統領」と、権限が拡大した「強い国会」との力関係にインパクトを与える可能性がある。
 スハルト政権の中核である国軍で人権弾圧に手を染めたとされるプラボウォ氏の政権参画には、市民団体などから警戒感が表明されている。
 プラボウォ氏は国営銀行創立者を祖父とし、スハルト政権の経済ブレーンを父とするエリート家系の出身。スハルト大統領(当時)の次女と結婚、後に離婚。陸軍特殊部隊の隊員として東ティモールの独立派弾圧で武勲を挙げ、特殊部隊と陸軍戦略予備軍の司令官を歴任した。民主化運動活動家らに対する拉致や暗殺への関与や暴動画策の疑惑も持たれている。
 ことし4月の大統領選では副大統領候補サンディアガ・ウノ氏とペアを組んで立候補。「国民の利益を守る強い指導者」をアピールし、イスラム強硬・急進派の支援を受け、44・5%の得票を得た。

■スリ財務相続投
 イスタナでは22日も閣僚候補者らの「呼び込み」が続いた。ジョコウィ大統領との面談後、スリ・ムルヤニ財務相(57)は、留任することで合意したことを記者団に明らかにした。
 スリ財務相は「良質な人材を有し、汚職がなく、包括的な経済能力を持ち、インドネシアを建設するという正副大統領の目標を支えていく」と語った。(米元文秋)

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