配車大手2社がしのぎ クラウドキッチン 調理だけ、座席なし

 調理場だけを各地に設け、スマホなどで注文を受けて料理を宅配する「クラウドキッチン」への進出をめぐり、配車大手のグラブとゴジェックがしのぎを削っている。すでに国内10拠点を持つグラブは、年内にこれを50に増やす計画。一方で、7月から拠点の建設を始めたゴジェックは1年半で100拠点を設ける考えだ。調査機関によると、スマホ利用の出前サービスは拡大の余地が大きく、両者の競争は激化しそうだ。地元メディアが報じた。
 個別のレストランや食堂などに注文する、グラブフードやゴーフードと異なり、クラウドキッチンは、食事スペースのない調理専門拠点から出前をする、新たなビジネスモデル。米配車大手ウーバー・テクノロジーの出前サービス「ウーバーイーツ」を通し、米国などで流行、注目を集めている。店内での接客を行わず、出店場所の自由度が高い。人件費や家賃など運用コストが抑えられる利点がある。
 シンガポール系のグラブは昨年以来、クラウドキッチンを行う「グラブキッチン」を設立。ジャカルタに9拠点、バンドンに1拠点を設けた。
 売り上げは好調で、拠点数を増やすことで今後、東南アジア全体への出前サービス拡大の足がかりにしたい考えだ。同社は昨年、ウーバーの東南アジア事業を買収。同社から得たノウハウもサービス拡大に生かしていく。
 一方、ゴジェックは「ゴーキッチン」のブランド名でピザ、中華、インドネシア料理などを配達する体制を目指す。ゴジェックは設置予定の100拠点を明らかにしていないが、ドライバーが機動的に動け、顧客に便利なネットワーク作りを目指すという。
 調査機関によると、インドネシアの場合、都市部でもスマホによる料理の宅配サービスを試みていない消費者が4割強いる。両社とも潜在的な顧客は多いとみて、拠点拡大を続ける方針だ。(福原直樹)

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