政権派ネット活動家を暴行 警視庁 イスラム保守派関与を追及
中央ジャカルタ・プジョンポンガンのモスクで9月30日にジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)政権支持派の「インターネット活動家」ニノイ・カルンデン氏が集団暴行を受ける事件があった。警視庁は、対立するイスラム保守・強硬派の「212同窓会」とイスラム擁護戦線(FPI)のメンバーが関与しているとみて捜査している。地元メディアが報じた。
ニノイ氏暴行の様子とみられる動画や、目の周りにあざができた顔写真などがネット上で拡散されていた。
警視庁は9日までに、暴行の現場に居合わせたとして、212同窓会のベルナルド・アブドゥル・ジャバル書記長ら11人を容疑者認定。このうち1人に、プジョンポンガンのモスクの防犯カメラのデータの削除に関与した可能性もあるとみて、FPIのムナルマン書記長を事情聴取した。
ニノイ氏は9月30日に同モスク周辺でデモの様子を動画撮影していたところ、複数の者に囲まれて集団暴行を受けた。さらにモスクに連れ込まれ、袋叩きにされたほか、携帯電話とノートパソコンのデータを持ち去られたという。同日中に解放された。
212同窓会は、宗教冒とくの罪で起訴されたバスキ・チャハヤ・プルナマ(通称アホック)ジャカルタ特別州知事(当時)への抗議運動を展開したイスラム保守勢力の集まり。
FPIはジョコウィ政権批判運動の急先鋒で、激しい街頭行動で知られるイスラム強硬派団体。代表のリジック・シハブ氏はポルノ規制法違反の疑いで2017年に容疑者認定され、サウジアラビアに事実上亡命している。(高地伸幸)