香港式? 雨傘も登場 首都中心街で学生衝突 催涙弾水平撃ち
インドネシア民主化改革の貫徹を訴える学生らのデモは、9月30日深夜から翌未明にかけ、ジャカルタ中心街のスナヤン、スマンギ、ドゥクアタスなどで警察機動隊などとの衝突を繰り返した。香港の民主化デモのシンボルとなっている「雨傘」も登場。機動隊が、危険性の高い催涙ガス弾水平撃ちを行った。
汚職撲滅委員会(KPK)の権限縮小などの法改正反対を叫ぶ学生デモは30日午後、国会近くでいったん機動隊に排除された。その後、学生らはプラスチック製の道路分離ブロックを燃やすなどして道路を封鎖、抵抗を続けた。
ツイッターなどのSNS上では、この数日、デモの続く香港とインドネシアの若者らがエール交換。催涙ガスへの対処法などがシェアされていた。
ブンカルノ競技場付近で約100人のデモ隊は、香港の雨傘のように、赤い大型パラソルをかざしてガス弾を避けようとした。
ドゥクアタス周辺では1日午前1時すぎまで小競り合いが続いた。50人ほどの学生らは道路の縁石を地面に叩きつけて砕き、ホテル・シャングリラ付近で機動隊に投げつけた。盾に石が当たる乾いた音が響き、学生から「アンジン(犬)」と罵声が飛んだ。
機動隊は催涙弾の水平発射を開始。学生の後ろから写真を撮影していた記者の目の前を、ガス弾の光跡が突っ切り、数メートル後方で炸裂した。学生らは後退。スディルマン通りの立体交差で散り散りとなった。
ことし卒業を控える学生アディさん(22)は「進路を考えている余裕はない。法案が撤回されるまで抗議を続ける。正しいのは俺たちの方。警官と闘うのも怖くない」と拳を握りしめた。
(米元文秋、高地伸幸)