日本の農業技術を生かせ インドネシアでコメ栽培 長野の「信州ファーム荻原」

 世界有数の高い技術を誇る日本の農業が、成長を続けるインドネシア市場への参入を図っている。長野県東御市の農業法人・信州ファーム荻原は、インドネシアでの稲作を計画。耕作機などを使い、八人で九十ヘクタールの農地を管理するなど、効率の良い同社の稲作ノウハウをインドネシアに持ち込み、質の高いコメの大量生産を目指す。

 インドネシアの富裕層向けスーパーで流通させるほか、マレーシア、シンガポールなどの近隣諸国や、日本への輸出も視野に入れている。農業コンサルタントのコロボックル(北佐久郡軽井沢町)とインドネシアに合弁で現地法人を設立し、日本の品種を持ち込んで現地で作りやすいものに改良していくことを検討している。
 農地となる地域はまだ決まっていないが、標高が高く、水源に近い場所を検討している。七月にインドネシアで再度調査を行う。
 荻原昌真(まさちか)専務は、じゃかるた新聞の電話取材に対し、「日本はコメの自給を達成し、減反政策をするなど、コメ農家としては閉塞感を感じている。人口も食べる量も日本よりずっと多く、GDP(国内総生産)も伸びているインドネシアでコメを作り、現地の人たちに喜んでもらいたい」と進出の経緯を説明。また、タイなどは韓国、中国の農業企業に開拓されている一方、インドネシアではまだ外資企業にあまり開拓されていないことも、決め手の一つだったと言う。
 インドネシアのコメ生産量は日本の六倍だが、近年コメの自給が達成できていないことにも可能性を感じており、インドネシアのコメ増産にも尽力したいと意気込んでいる。

■イで生産の動きも
 日本では農業後継者の確保が難しいことなどを背景に、インドネシアに日本で受け継がれてきたノウハウを持ち込み、コメ以外の作物栽培に取り組もうと検討を進める地方の中規模農家、農業法人も現れている。
 標高〇メートルから二千メートルと農地の幅が広いこともあり、多種多様な農家の関心を引きつけている。農業商社関係者によると、昨年末ごろからイチゴなどの果物、レタスなどの葉菜類を作ろうと、各地の農家が、西ジャワ州ボゴール県プンチャックなどへ視察に来る動きもあるという。

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