先人の足跡しのぶ 納骨堂で秋季慰霊祭
ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)個人部会は20日、中央ジャカルタのジャティ・プタンブラン墓地で日本人納骨堂秋季慰霊祭を開いた。日本人社会発展の基礎を築いた先人の足跡をしのび、JJCの東條観治理事長や石井正文駐インドネシア日本大使ら約30人が参列した。
日本人納骨堂は1931年、「からゆきさん」としてインドネシアへ渡った日本人女性を供養するために、7人の日本人会有志が発起人となり建立した。
戦後、参拝者もなく荒廃した墓地を見かねた有志が59年に日本人墓地保存会を結成。各地に散在していた墓を日本人納骨堂に集めた。60年に最初の合同慰霊祭が開かれて以来、慰霊祭が続けられている。
JJCでは春・秋の年2回慰霊祭を開いており、秋期は長野県久遠山・延壽院の伊佐榮豊(えいほう)住職が読経する。参加者全員で黙とうをささげた後、納骨堂に入り焼香した。
参列者の一部はその後、タナアバンのプラサスティ公園も訪問。オランダ軍とのジャワ攻略戦で戦死した旧日本陸軍「廣安梯(こうあんてい)隊」30人の墓碑に線香を手向けた。(平野慧、写真も)