スポーツ大臣 容疑者に KPK 国体予算配分で収賄か
汚職撲滅委員会(KPK)は18日、国民体育大会委員会(KONI)の予算配分に絡み、計147億ルピアの賄賂を受領した疑いがあるとして、イマム・ナフラウィ青年スポーツ相(46)を汚職容疑者に認定した。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)政権の閣僚で汚職容疑者に認定されるのは2人目。
KPKは同日の記者会見で、イマム青年スポーツ相は2014~18年の間、同相の個人秘書を通じ、予算配分への便宜供与の見返りとして、KONIの幹部から計147億ルピアの賄賂を受け取った疑いがあると指摘した。KPKは11日、個人秘書を汚職容疑で逮捕し、取り調べていた。
同事件では、すでにKONIの職員5人が訴追され、事務局長ら幹部2人に有罪判決が下っている。イマム青年スポーツ相もことし7月、参考人として汚職裁判所で開かれた公判に出廷、KONIの予算が70億ルピアから400億ルピアへと膨れ上がった理由などについて聴かれていた。
KPKの個人資産調査によると、2018年3月時点の同相の個人資産は226億ルピア。東ジャワ州シドアルジョ、スラバヤ、マラン、マドゥラ、南ジャカルタなどに土地を保有している。
同相はイスラム政党・民族覚醒党(PKB)所属。09年国会議員に初当選し、14年ジョコウィ政権で初入閣。インドネシアで56年ぶりの開催となった昨年のアジア大会では、インドネシアの選手団を率いて、政府目標を超える金メダル獲得数31個で総合4位に入る健闘ぶりをたたえていた。
これまで汚職関与の疑いが持たれたジョコウィ政権の閣僚は計4人で、訴追されたのはうち1人のみ。昨年、リアウ州の火力発電所建設事業に絡む贈収賄事件で、国会議員だったイドルス・マルハム社会相(当時、ゴルカル党幹事長)が汚職容疑で逮捕、禁錮3年が言い渡された。
ことし3月、東ジャワ州宗教局幹部人事をめぐる贈収賄事件で、KPKはルクマン・ハキム宗教相(開発統一党=PPP)の執務室を家宅捜索し、1億8千万ルピアと3万ドルの現金を押収。4月には、国会議員(ゴルカル党)の汚職事件に絡み、エンガルティアスト・ルキタ商業相(ナスデム党)の執務室を家宅捜索したが、いずれも容疑者には認定されていない。(蓜島克彦)