IT企業を集積 シナールマス・ランド  イノベーション・ラボズ BSDで来年開業

 不動産大手シナールマス・ランドは11日、バンテン州南タンゲラン市BSDシティに、IT・デジタル産業向けのコワーキングスペース「イノベーション・ラボズ」を開設すると発表した。BSDを同産業の集積地にするプロジェクトの一環で、スタートアップ企業を支援する。

 11日には、米グーグル系のスタートアップ支援デジタラヤと、米系同業のGKプラグ&プレー・インドネシアの2社と、コワーキングスペースの運営やスタートアップ企業の支援で提携する覚書の署名式を行った。2020年の開業を予定する。
 シナールマス・ランドが持つ商業施設BSDグリーン・オフィス・パーク内で、約500平方メートルの共有オフィスと通信環境などを提供する。スタートアップ向けの講習会やビジネスマッチングなども行う予定だ。
 地場以外にも門戸を開く。シナールマス・ランドの戦略・ビジネス開発・イノベーション部のジェミ・リム部長はじゃかるた新聞の取材に対し、「日本を含め、どんな国の企業でも受け入れる方針。サービスのローカライズや投資家探しも手伝えるだろう」と話した。
 シナールマス・ランドは17年、「BSDをシリコンバレーのように」(マイケル・ウィジャヤ最高経営責任者)という掛け声のもと、約26ヘクタールを用地に商業施設郡「デジタル・ハブ」の建設を開始。グリーン・オフィス・パークなどを含め、周辺一帯をIT・デジタル産業の集積地とする構想を進める。
 昨年5月にアップルがiOSアプリの開発者を育成するデベロッパーアカデミーをBSDに設置した。ことし2月にはアニメーターなどクリエーティブ産業向けの人材養成所が設立され、話題を集めた。
 インドネシアでは、オンライン配車ゴジェックや電子商取引(EC)トコペディア、旅行サイトのトラベロカといったユニコーン企業(企業評価額10億ドル以上の非上場企業)が誕生しており、政府はIT・デジタル産業の振興を支援する。
 ただ、現状は関連企業が中央ジャカルタ・SCBD(スディルマン・セントラル・ビジネス地区)のコワーキングスペースなど、ジャカルタ特別州内を中心に集積しているとみられる。
 BSDの「シリコンバレー化」に向けては、イノベーション・ラボズがスタートアップ企業の支援や人材育成の場として、どこまで存在感を発揮できるかが焦点の一つになりそうだ。(大野航太郎、写真も)

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