外資系企業は様子見 東カリマンタン州在留邦人22人 首都移転計画

 東カリマンタン州への首都移転計画について、日系をはじめとした一部の外資系企業は興味を持っている。外務省の海外在留邦人数調査統計によると、2017年10月時点の同州の在留邦人数は22人。現状の日本の存在感は限定的だ。具体的な都市開発計画策定の推移を見守りつつ、商機を探っていく考えだ。

 ある日系ゼネコン現地法人幹部は「具体的な計画が明らかになっていない状態で、期待は持てない。インフラ建設では国営企業や地場建設業が中心となるだろう」と見通しを話す。ただ、「首都移転は滅多にない有意義な事業ではある。格調が求められるオフィスビルやホテル建設などの計画が出てくれば、内容次第でプロジェクトに参画したい」と話す。
 同州の主要都市、バリックパパンは大きな港湾を抱え、国営石油・ガスプルタミナの石油精製プラントの改修計画も進んでいる。港湾の再開発や運営効率化の必要性が高まってくると、「外資の技術が必要になる」(海事調整省幹部)という意見もある。
 バリックパパンと州都サマリンダ間を結ぶ高速道路建設は、カリマンタン初の高速道路案件となった。政府は今後も島しょ部での高速道路建設を進めていく方針で、首都移転計画は追い風になりそうだ。
 同区間の高速道路建設にあたっては、三菱UFJ銀行も融資に参加した。邦銀各社は、インドネシアでのインフラ建設案件向けの協調融資(シンジケートローン)に参画してきた経緯があり、インドネシア政府側は今後にも期待している。
 予算の確保の困難さがかねてから課題とされている首都移転計画。業種問わず日系企業幹部は一様に「計画が見えてこない以上、何も展望は抱けない」と話す。政府が実現可能で、具体的な都市開発計画を提示するのを日系はじめ、外資系企業は待っている段階だ。(平野慧)

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