奇数偶数制の周知開始 16通りへ拡大 MRT乗り換え検討も

 ナンバープレート末尾の数字による車両の進入規制策「奇数偶数制度」が12日、新たにジャカルタ特別州の16の通りで試験導入され、周知活動を開始した。対象の通りを通勤で利用する人からは、大量高速鉄道(MRT)への乗り換えを検討する声も聞こえた。
 初日の12日には、適用時間の午前6時~同10時と午後4時~同9時、各通りに同州運輸局職員や警察官などが配備された。違反者に迂回(うかい)を促すことはなく、パンフレットを配布するなどしていた。中には奇数、偶数車に関係なく、運転手にパンフレットを配りながら説明する通りもあった。各地には、すでに同制度の導入を知らせる標識や看板が設置されている。
 同日夕、南ジャカルタ区クバヨランバルのシシンガマンガラジャ通りで周知活動を行っていた運輸局職員によると、制度の拡大について詳しく知らない運転手も多く、中には抗議をする人もいたという。運輸局は9月6日まで同様の周知活動を続ける。違反者に罰則が科せられるのは、本格導入の9月9日から。
 制度の拡大には、渋滞緩和のほか、悪化する大気汚染を改善したいという政府の考えがある。同制度が導入されたほとんどの通りにはMRTやバスが通っており、市民への利用を促したい考えだ。
 MRTへの乗り換えを検討するリオ・クイセルトさん(40)もその一人。南ジャカルタ区クニンガンで働くリオさんは、すでに同制度が導入されている通りを避けるため、ファトマワティ通りを通勤で使用している。2台持つ車はいずれも偶数。奇数の日には、MRTのファトマワティ駅に車を止め、クニンガンに近い駅で降り、駅からオンライン配車サービスを使って通勤することを検討しているという。
 同制度の対象外となるのは、消防車や救急車、二輪などのほか、黄色いナンバープレートを付けたバスやタクシー。自家用車を使用するオンライン配車サービスの四輪は対象となり、運転手たちからは不満が出ている。
 アニス・バスウェダン特別州知事は12日、配車四輪には一般車と区別するためのマークをつけることも検討しているとしたが、ゴジェックの四輪運転手の男性(35)は「政府はオンライン運転手の人数を把握していないのでは。運転手としてはもちろん対象外となってほしいが、同時に多くの車が利用できることになるため、渋滞の解決にはならなくなる」と話す。(上村夏美、写真も)

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