漁港開発40年 折下さん 石井大使が表彰
石井正文駐インドネシア大使は23日、ジャカルタ漁港の開発に40年以上にわたり従事してきたコンサルタントの折下定夫さん(71)に対し、日本とインドネシアの友好親善に貢献したとして、在外公館長表彰を贈った。
大使公邸で開かれた表彰式で、石井大使は「一人の開発コンサルタントがその職業人生をかけて、一つのプロジェクトを育てるということは極めて希有で素晴らしい」とたたえ、「折下さんの経験と熱意を後輩に伝えていってほしい」と述べた。
折下さんは「プロジェクトを終えてからもボランティア的に漁港に携わってきた。評価いただき、非常にありがたい」と喜びを語った。
折下さんは1978年から漁港の開発プロジェクトに参加。84年の開港を経て、衛生環境整備など一連の政府開発援助(ODA)事業が2012年に終了した後も、ボランティアで漁港へのアドバイスを行ってきた。
また、「せっかくインドネシアに住んでいるのに(漁港を)知らずに帰ってしまうのはもったいない」と、ジャカルタ日本人学校(JJS)の児童や在留邦人をたびたび漁港に案内。こうしたODA事業の広報活動も評価された。
17日で開港35周年を迎えたジャカルタ漁港。周辺では40年間で約4メートルの地盤沈下が確認されており、水質やごみなど環境面での課題も残る。折下さんは「環境プロジェクトなどを通じて、今後よりきれいで衛生的な漁港になってくれれば」とさらなる発展に期待した。(木村綾)