ASEAN 第2の生産拠点に エクスパンダー輸出20カ国へ 三菱自動車・益子会長

 三菱自動車の益子修会長は17日、中央ジャカルタで日系メディアの取材に応じ、インドネシアを東南アジア諸国連合(ASEAN)第2の生産拠点に位置づけ、エクスパンダー(小型MPV)の輸出先を20カ国に拡大、輸出台数を6万台に増やす方針を示した。出資する配車大手ゴジェックとの協業も模索していく。 
 ――年初から国内市場が減退している。生産計画の変更などは考えているか。
 ことしは政治を要因に難しい年になることは分かっていた。エクスパンダーでは、国内で販売が伸び悩んでも輸出を伸ばすことで対応できる。計画の見直しはしない。輸出先を12カ国から20カ国に拡大、輸出台数を昨年の4万2千台から6万台に増やす。
 ルピアは弱含みだが、タイバーツが強い。エクスパンダーをタイに持って行けば、競争力ある価格で輸入できる。ASEAN域内でどちらかが強く、どちらかが弱ければオフセット(埋め合わせ)できる。
 インドシアをタイに次ぐ第二の生産拠点にできれば、われわれのASEAN事業は非常に安定する。(西ジャワ州ブカシ県デルタマス・GIIC内の工場の生産能力を)年16万台から22万台に拡大し、ASEANプラス世界で戦っていけるようにしなければいけない。
 ――プラグインハイブリッド車(PHV)「アウトランダーPHEV」の国内販売、ASEAN初投入を発表した。インドネシアではインフラが整備されていないが、投入先に選んだ理由は。
 インフラがなくてもPHVなら家庭で充電できる。インフラがないからといって、持ってこないのであれば、いつまでも普及は進まない。まずは持ってきて、電動車に関する理解を深めてもらう。インドネシアは小さな島が多く、自己完結型の電気の発電、消費ができるのではないか。
 また、インドネシアで急激に車が増え、人口が増えている中で、今の車だけで環境問題を克服できるとは思わない。
 ――ゴジェックへの出資の意図は。
 マース(カーシェアリンング、配車)やモビリティサービスは、必要性は分かっているが、何をしたらいいのか分からない。うちから若い人を出して、彼ら(ゴジェック)が何を考えているのか、何をしようとしているのか学んでもらう。ゴジェックもわれわれが力を入れるASEANでビジネスをやろうとしているので、一緒に何かやるチャンスを持とう、というのが大きな狙い。
 ――今後のASEANでの製造のすみ分けは。
 タイではピックアップトラックやその派生車、インドネシアではMPVを中心にする。できるだけ一つの車は一極で集中生産して効率を良くする。そしてお互いに、輸出入でバランスを取ることを考えていきたい。(大野航太郎、写真も)

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