国産インプラント発売 緑内障、手術を低価格に ロート製薬現法

 ロート製薬の現地法人、ロート・ラボラトリーズ・インドネシア(RLI)は26日、緑内障の手術に使われる医療用デバイス「フィルナ・グラウコーマ・インプラント・バイ・ロート」を発売した。緑内障インプラントの発売は同社グループで初めて。これまでは輸入品しかなく、手術代が高額になっており、国産品の普及で低価格化が期待されている。

 緑内障は眼圧が高まることで視神経に異常が起こり、視野や視力に障害を起こす疾患。失明するケースもある。保健省の2016年の推計によると、人口の0・46%が罹病している。
 患者には点眼薬で眼圧を下げる治療が行われるが、改善されなかった場合、眼内の水分を排出するためのインプラントを装着する手術で、進行を抑える対処になる。ロートによると、国内にはこれまで650万~750万ルピアほどの輸入製品しかなく、手術を受ける上で経済的な障害になっていた。
 同社製品は西ジャワ州西バンドン県の同社工場で生産され、販売価格は198万ルピア。これまでの3分の1以下になり、手術の一般化が期待される。眼科医への施術に関する教育から始め、来年6月までに千枚の販売を見込む。
 開発は、2015年からインドネシア大学(UI)医学部のフィルナ・デウィ・オクタリアナ教授とRLIの共同研究が行われ、保健省やオーストラリアの研究機関の協力で実現した。保健省は産官学共同の医療品開発は国内では例がないとしている。
 RLIのムクダヤ・マシディ社長は26日に中央ジャカルタで開かれた式典で、「ロートの白内障レンズで培った製造、品質管理技術のすべてを投じて開発した。国内に普及し、失明患者の発生抑制につながれば」と話した。
 RLIは1996年設立。アイケア用品のほか、スキンケア、ヘルスケア、化粧品などを手掛けている。(大野航太郎、写真も)

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