おっかさんのジャワ飯 モンゴモロ 東京・大久保に開店、大人気

 東京都新宿区の多民族色の豊かな街、大久保2丁目に、インドネシア・ジャワ料理の店「モンゴモロ(MONGGO MORO)」がオープン。ご飯に好きなおかずを盛り付ける「ワルトゥグ(WARTEG)」スタイルで、気軽にジャワのおっかさんの味が楽しめると、首都圏に住むインドネシア人や、ランチに訪れる日本人らで大人気だ。

 一時帰国中にインドネシア料理が恋しくなった記者は、昼すぎ、大久保通り沿いの同店に入った。「辛いの大丈夫ですか」。目をくりくりさせた女性が声を掛けてきた。経営者のルトノ渡邊さん(42)だ。調理や盛り付けも引き受ける。
 料理は毎日変わり、メニューはない。3段の棚に並んだ大皿から選ぶ。記者が、鶏肉に緑のチリソースを効かせてたアヤムサンバルヒジャウを選ぶと、チャプチャイ(八宝菜)や、トゥリ(小魚)とテンペ(発酵大豆食品)のピリ辛炒めなどのおかずと、スープやクルプック(揚げせんべい)が付いてきた。1296円。
 「日本人のお客さんのことも考えて、辛さは控えめ」とルトノさんは言うが、十分スパイシー。普段ジャカルタのワルンで食べている味。いや、レストランのような上品な味わいもある。「サンバルやミー(麺)も私の手作り」
 ルトノさんは中部ジャワ州クラテンの出身。母親が開いたワルトゥグを手伝い、切り盛りしていた。同州ソロに留学していた渡邊裕人さん=現在(47)、会社員=と結婚し、12年ほど前に来日した。
 「日本に来た後、インドネシア人の友だちに揚げ物を作って出していたら『ビジネスにしなさい』って言われ、ケータリングを始めた。ナシウドゥック(ココナツミルクで炊いたご飯)を600人分、独りで作ったこともあるのよ」
 それが発展し、モンゴモロをことし3月31日にオープンさせた。「お客さんはインドネシア人と日本人が6対4ぐらいかな。帰国前の技能実習生が食事会を開くこともある」
 インドネシア人の女性3人組が店に入ってきた。「バッソ(肉団子)もあるよ」とルトノさん。女性は「マウ・ドン(ほしいわよ)」と即答した。
 夕方近くになって、飲食店店長の藤野清風さん(31)とジャカルタ出身のジョファナ・デフェラさん(27)のカップルが席に着いた。藤野さんは「日本で食べたインドネシア料理の中では一番インドネシアっぽい」と満足。来月に出産を控えるジョファナさんは「普段インドネシア料理はあまり作らないけれど、やっぱり好き。店の雰囲気がインドネシアらしくて、いいですね」と微笑んだ。
 夫と3歳から16歳までの4人の娘と一緒に暮らすルトノさんは「将来、御殿場(静岡県)と目黒(東京)にも店を出したい」と夢を語る。
 「モンゴモロはね、ジャワ語で『どうぞ、ここにいらっしゃい』という意味なの」(東京・新宿で米元文秋、写真も)

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