「不正選挙拒否」都心でデモ タムリン通り 道路封鎖・検問も
大統領選の集計結果が発表された21日、都心ではテロやデモを警戒し厳重な警備が敷かれた。中央ジャカルタ区タムリン通りの総選挙監督庁(バワスル)前交差点には大勢のプラボウォ支持者が集結、不正選挙への抗議を示した。当初結果発表が予想された22日に向けて警戒が高まる中、大きな衝突は回避された。
総選挙委員会(KPU)は21日午前1時50分ごろに結果を発表。KPUのあるイマム・ボンジョル通りは20日夜からバリケードで封鎖され、数千人の警察官が警備を敷いた。
バワスルがあるタムリン通りも全面封鎖されたが、21日昼ごろから、交差点にデモ隊が集結。「不正選挙反対」「公正な民主主義を」などと書かれたプラカードを手に、声を上げた。デモは午後9時前まで続き、「イスラム擁護」や「212」を合言葉に活動してきたプラボウォ派らしく、路上で集団礼拝を行う場面もあった。
選挙結果の大勢が判明した4月17日以降、大規模不正と自身の勝利を主張してきたプラボウォ陣営は、反アホック運動の主導者で陣営幹部のアミン・ライス元国民協議会(MPR)議長を筆頭に、大衆動員すると息巻いてきた。
22日に向けては「ジハード(聖戦)ツアー」と称して地方からデモ参加者を動員しようとする動きもあり、治安当局は流入者に歯止めをかけるべく各所で検問を実施。参加者の中にはそれでも地方から駆け付けたという人もいた。東ジャワ州スラバヤ市在住の市場商人、ブディさん(50)は仲間約50人と電車で参戦。「不正は断固拒否。明日も続けるつもりだ」と訴えた。(木村綾、写真も)