まるでバリ、邦人も踊る 南タンゲラン ヒンドゥー寺院で祭り
ジャカルタ首都圏・バンテン州南タンゲラン市にあるヒンドゥー教のムルタ・サリ寺院で18日、寺の創立35年を祝うお祭りが開かれた。同州などに住むバリ人ヒンドゥー教徒のほか、日本人のバリ舞踊の踊り手やムスリムも加わり、計約400人が集まった。舞踊やガムラン演奏も披露され、寺はバリ島のような雰囲気に包まれた。
朝から続いていた儀式は、夕刻、境内の「パドマサナ」と呼ばれる、神聖な石塔の前に家族連れの人々が並び、お祈りを始めると、最高潮に達した。ドゥパ(線香)がたかれ、お供えの花の香りが漂う中、少女や、仮面の男性の踊りが次々と奉納された。
寺の入り口付近のステージでは、ガムラン演奏に合わせたバリ舞踊が夜更けまで、次々と披露された。
ジャカルタなどに在住の邦人女性らから成る「ウィラ・クンチャナ・バリダンスグループ」の近藤希世さん、齊藤多麻枝さん、長谷川晴子さんの3人が、現代風レゴン(女性舞踊)の「タリ・プレゴンガン・ムサティア」を舞った。
3人は「生のガムラン演奏で踊るのは久しぶりで楽しかった」「1年前とは違う踊りを踊れてよかった」「踊るのはあっという間でも、楽しい思い出ができる」と感想を語った。
バリ舞踊の観客の中にはムスリムも。ヒジャブ姿のデウィ・ヘンドラヤニさん(60)は「孫がバリ舞踊を習っていて、今夜踊るので見に来た。バリ舞踊はエネルギッシュで大好き。ブカプアサ(1日の断食明け)にはバリのお菓子をいただいた」と微笑んだ。(米元文秋、写真も)