大祭ワイサック各地で 西ジャカルタ寺院に1万人

 仏教徒最大の行事「ワイサック(ブッダの誕生、成道、入滅を祝う日)」の19日、インドネシア各地で祭典が開かれた。

 西ジャカルタ区クボンジュルックの仏教寺院「エカヤナ仏教徒センター」では同日午前、約1万人の仏教徒が集った。2013年のラマダン(断食月)中、爆弾テロの標的になった同寺院では約1週間前から警察が警備を行っており、祭典が安全に実施できるよう準備を進めてきたという。
 ことしのテーマは「ブッダの愛の中で、祖国インドネシアを愛すること。私たち全員が豊かな社会を創造すること」。
 そう話す僧侶のニャナバンドゥさん(35)はじゃかるた新聞の取材に「現在、インドネシアでは多くの対立が生じている。特に大統領選挙後でデモなどが起きている今、まさにわれわれの国を思い、愛する時だという意味でこのテーマを掲げた。心にある全ての愛、思いやりの心をいま一度思い起こす日」と語った。
 地元メディアによると、中部ジャワ州マグラン県の世界遺産ボロブドゥール寺院遺跡群では18日夜から行事が行われ、インドネシア各地や海外からも仏教徒や僧侶、観光客らが集った。
 式典に出席したルクマン・ハキム宗教相は「宗教省として、全ての仏教徒へワイサックを祝福する。この祝福が全ての人々に幸せと平和をもたらすことを願う。多様性はインドネシアの象徴」などと話した。
 行事では、経文を唱えながら寺院の周りを回り、説法や祈り、瞑想(めいそう)、平和を象徴する灯籠を空へ放つなどした。(上村夏美)

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