汗だく文化交流 踊り、歌い、笑い JJM、モナスでフィナーレ

■イ語を交えMC―May J.公演
 NHKワールド(英語放送)内の番組「J―MELO」の公開収録を兼ね、日本から駆け付けたアーティストMay J.のミニライブがあった。
 「メーイ ジェーイ!」という観客の大きな呼び声の後、May J.が舞台に登場。英語にインドネシア語を交えたMCで会場を大いに盛り上げた。THE BOOMのヒット曲「風になりたい」など日本の楽曲計5曲を披露し、観客からの手拍子が絶えなかった。
 May J.は公演後、「予想以上に盛り上がった。心から音楽が好きという人がたくさんいるという印象。またぜひ来たい」と語った。
 ミニライブの様子は、15日にNHKワールドで放送される予定。(堀田実希、写真も)

■両国の歌に歓声―のど自慢大会
 「日本インドネシアのど自慢大会」(在インドネシア日本大使館主催)の最終選考が、30日にモナスで開かれ、予選通過者12人の中から、ロサリナさんが優勝した。
 ロサリナさんは、浜崎あゆみの「voyage」を熱唱。高い歌唱力が審査員の評価を集めた。
 大会は、歌を通じた両国の交流を目的に、外務省の在外公館文化事業として今回初めて企画したもの。日本側参加者5人はインドネシア語の楽曲を、インドネシア側7人は日本語の楽曲を歌った。(田村慎也、写真も)

■キティが登場―ビジット・ジャパン
 インドネシアからの訪日外国人観光客数を増やそうと、日本政府観光局(JNTO)はブース「ビジット・ジャパン」を、29日にはプラザ・スナヤンで、30日にはモナスで出展した。
 東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドと、ハローキティなどのキャラクターを有するサンリオ・ピューロランドは、インドネシアで初めて、それぞれのテーマパークを紹介。ハローキティが初登場した。
 オリエンタルランド・営業三課海外マーケティング部の竹内勉係長は「人口の多さ、これからの発展期待がなによりも魅力」と述べた。
 そのほか、長野県、岐阜県、富山県、全日空(ANA)、ガルーダ・インドネシア航空などからの出展があった。(田村慎也、写真も)

■イ伝統布を活用―浴衣ショー
 今年は、インドネシアの人に浴衣の魅力を知り、身近に感じてもらおうと、「浴衣ファッションショー」を初開催。JJMのスポンサー企業11社の社員や関係者が、ステージで浴衣を披露した。
 浴衣はすべてジャカルタで手に入る生地で作った。スマトラのソンケット(縫い取り織り)で作った帯など、インドネシアの伝統布と組み合わせる企業もあった。
 中には、浴衣を着た出演者が「応援チーム」とともに舞台上で新製品やサービスを紹介する企業もあった。(堀田実希)

■クリヤ氏が出演―ギャラクシー公演
 毎年出演している邦人ビックバンド「ギャラクシー」の公演では、世界各国で活躍する日本人ジャズ・ピアニストのクリヤ・マコト氏がゲスト出演した。
 プライベートでのインドネシア訪問だったが、友人に誘われて公演に参加したほか、インドネシア人演奏家らと29日にセッションした。
 「東京の観客と比べると、何でも吸い取ってくれるような熱気がある。日本にはない元気がもらえるよう。これからいかようにも発展するようなポテンシャルを感じる」と感想を語ったクリヤ氏。
 「今、日本は音楽も含めて内向きになっており、音楽としての探検ができなくなっている。製作者としてよりいいものづくりをするため、インドネシアでの活動を広げていきたい」と語った。(関口潤、写真も)

■若者が熱演披露― 日本の伝統舞踊
 インドネシア人の若者たちが演じる日本の伝統芸能が、今年も祭りの雰囲気を演出した。
 1990年代初頭に結成され、10年以上の経験者から初心者までが集う大江戸助六流ジャカルタ太鼓クラブは、和太鼓とよさこいソーランを披露。大学時代に始め、日系企業に勤める現在も活動を続けるムフリス・スレマンさん(26)が「体の中から燃え上がるよう」と語る勇ましい太鼓で、今回も祭りの開幕を告げた。
 「高知よさこい百花繚乱」と「うーまく・エイサー・しんか・インドネシア」は混合で、創作的で軽快なダンスで盛り上げた。エイサーのメンバー16人は沖縄で開かれる世界大会に参加するため、10月3日に日本へ出発する。「『インドネシア・プサカ』を使った踊りやバティックを使った衣装など、インドネシアならではの魅力を見せたい」とダルマ・プルサダ大のブンガさん(21)は語った。
 今年7月の「ブロックM・リトル東京縁日祭」での披露を目指して結成され、JJMに初登場となったのは阿波踊り=写真。徳島県出身者ら日本人や、エイサーやよさこいに所属するインドネシア人の混成チームだ。
 「アヤットサー」の掛け声と独特な鮮やかさを持つ踊りが訪問客を引き付ける。「手を上げて足を運べば、阿波踊り。これからも活動を続け、踊りが好きなインドネシア人にも知られるようになれば」と中砂博之さん(28)は話した。(関口潤、写真も)

■観客、真剣な表情―恩納村エイサー
 沖縄の伝統芸能団体「恩納村青年団エイサー」は、沖縄県から訪れた演者7人が約20分間演武し、恩納村谷茶地域や塩屋地域に伝わる谷茶前節や坂原口説節などを披露した。ジャカルタで沖縄のエイサー団体が公演を行うのは珍しい。
 三線の生演奏とともに太鼓打ちの男性5人が舞台に登場し、拍手とともに公演がスタート。演舞が進むにつれて観客席は徐々に静かになり、多くの観客が普段聞く機会の少ない本場の演舞を真剣な表情で見つめていた。
 2004年結成の同団体は、普段は恩納村を訪れた修学旅行生などに向けた公演など年50回ほど公演を行っている。海外での公演は初めてで、代表の名城一幸さんは「伝統的な舞踊を色々な人に見てもらえる機会になってうれしい。沖縄に来て、大人数の演舞も楽しんでほしい」と感想を語った。
 1日にはインドネシア人沖縄伝統舞踊グループ「うーまく・エイサー・しんか・インドネシア」との交流会をジャカルタで開く予定。同グループは今月5―7日にかけて沖縄で行われる世界エイサー大会に参加する予定で、名城さんは「沖縄に来たときに、色々と力になってあげたい」と意気込んだ。(岡坂泰寛、写真も)

■とんとん相撲も―出店
 会場の外周を取り囲むように民間企業や政府系機関など50以上の出店が並び、書道や茶道、古来の遊びなど、日本文化を紹介した。かき氷やたこ焼き、焼きそばなどを売る屋台には長蛇の列ができた。
 住友商事グループのOTOグループは、とんとん相撲や福笑い、折り紙の体験コーナーを設置。土俵をばちでたたく「とととと」という大きな音に引かれてか、子どもだけでなく大人の姿も目立った。大人同士の取り組みでは、双方がたたく場所を工夫して力士を進めるため、なかなか決着がつかず、参加者は汗だく。周囲の声援を受けながら取り組みに興じていた。
 トヨタのブースでは、ジャカルタ在住の福島俊也さんが地元の書道家1人と書道を実演。希望者は自分の名前を漢字の当て字やカタカナで書いてもらえる。詰めかけた希望者は、半紙の上に筆が流れて行く様子を興味深そうに見ながら写真に収めていた。
 カタカナで書いてもらったディナーさん(20)は「こんな字の書き方はインドネシアではめずらしい上、日本語で書いてもらってとてもうれしい」と話していた。(道下健弘、写真も)

■踊りやコスプレ―テント内ステージ
 メーンステージとは別に設置されたテント内のステージでも地元大学生らによるダンスやコスプレ、バンド演奏などがあり、お祭りムードを高めるのに一役買った。
 私立ナショナル大学(UNAS)のダンスサークルのメンバー6人は、バリと日本の踊りを紹介する舞台を披露。前半は浴衣姿で盆踊り、後半はカマン(腰布)を付けた衣装になって、バリ風の妖艶なダンスを披露した。メンバーのアユさん(20)は「どきどきしたけど、みんなの前で踊れてうれしかった」と話した。
 一般来場者にコスプレを経験してもらう「秋葉原コスプレ体験」では、インドネシア大学など複数の大学の愛好家が企画。来場者20人が名乗りを上げ、インドネシアでも人気が高い日本のアニメ「ナルト」のキャラクターやメイド、侍などの服装を着てポーズを取ったり、友人らに写真撮影してもらったりしていた。
 このほか、各大学の音楽バンドがステージに上がり、日本のポップスやロックなどを披露した。(道下健弘)

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