「連帯」へ 宗教間対話重ねる スラバヤ テロ被害の教会

 東ジャワ州スラバヤ市の「子連れ連続テロ」が起きたキリスト教会で、イスラムを含む異宗教との対話や交流が続いている。事件発生から丸1年を迎えた13日夜、実行犯2人を含む8人が死亡したサンタ・マリア教会には数百人が集まり、七つの宗教・信仰方式で犠牲者に祈りをささげ、「連帯」への思いを一つにした。

 スラバヤ市の3教会で連続テロが起きた翌日の昨年5月14日、キリスト教徒の学生団体の呼びかけに応える形で、連帯を示そうと多くの異教徒を含む約100人が市内の公園に集まった。東ジャワ州を本拠に置く国内最大のイスラム団体、ナフダトゥール・ウラマ(NU)をはじめとするイスラム教徒や仏教徒、ヒンドゥー教徒らも駆け付け、「スロボヨ・ワニ(勇敢なスラバヤ)」を合言葉に宗教間対話を実施。事件から1週間、40日、100日……その後も節目のたびに、異教徒たちは合同礼拝などに足を運び続けた。NUの自警団バンセルは、教会の警備を買って出た。
 「どの宗教の人にとっても安全だと思っていたスラバヤで事件が起きてショックだった。信仰が私たちの兄弟愛を断ち切ってはいけないと思った」。宗教間対話に当初から参加しているイスラム教徒で、女性活動家のサラシ・ドゥマサリさん(28)はそう話す。
 おぞましい事件の記憶を忘れた方がよいのか、残すべきか――。宗教間対話ではそんな議論も出た。事件当時、サンタ・マリア教会の神父だったクルドさん(57)は「1990年代後半から宗教間対話を重ねてきたが、事件は、平等や連帯、団結に基づく真の友情の大切さを思い起こさせた」。もう一人の神父、アロイシウス・ウィジャワンさんも「事件を忘れることは被害者の叫びを忘れ、立ち直る努力、連帯への努力を怠ることになる」と風化させないよう呼びかけた。
 キリスト教やイスラム教、ヒンドゥー教など異なる信仰からなる老若男女40人は、事件から1年を迎えるのを機に、遺族の思いや被害者の証言、事件の考察をつづって1冊の本にまとめた。著者の一人でスラバヤ大学で人権問題を学ぶイスラム教徒のミフタフル・ウルムさん(23)は「事件を経て連帯が強まったと思う」。「寛容なインドネシア」であり続けてほしいと願っている。
 ラマダン(断食月)中となった13日午後、サンタ・マリア教会には大勢のイスラム教徒が犠牲者の追悼に訪れ、教会はブカプアサ(1日の断食明け)の食事やタラウェ(夜の礼拝)の場所を用意して迎え入れた。さまざまな宗教による合同礼拝が夜まで行われ、教会は平和の願いを込めた音楽や祈りの声に包まれた。(木村綾、写真も)

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