黒装束の暴徒600人摘発 ネットで若者動員か メーデー
西ジャワ州バンドン市警はメーデーの1日、州庁舎(グドゥン・サテ)周辺で、公共物の破壊や落書きをしたとして、黒装束の若者約600人を摘発した。各地で黒い服を着た集団による犯行が確認されており、国家警察はネットを通じて若者を集め、暴徒化を画策する無政府主義者が背後にいるとみて警戒を強めている。
市警によると、集団はメーデーで行進する労働者に混じり、役所の壁などを破壊、スプレーで「反資本主義」などを訴える落書きを行なった。犯罪行為を行った少年らは拘束された際、市警によって殴打されたとの報道もある。
少年らは「アナルコ・サンディカリスム(無政府組合主義)」を訴え、ソーシャルメディアを通して集まったと話しているという。
また、東ジャワ州スラバヤ市や南スラウェシ州マカッサルでも同様に、黒い服を着た若者による破壊行為が確認されており、ジャカルタ特別州でもモナス(独立記念塔)周辺道路の分離帯やホテル・インドネシア近くの歩道工事の看板に「反資本主義」などを訴える落書きがあった。
ティト・カルナフィアン国家警察長官は2日、南ジャカルタの本部で会見を開き、「Aをマークにし、『アナルコ・サンディカリスム』を名乗る集団が存在する」と説明。昨年にはジョクジャカルタ特別州、ジャカルタ、スラバヤで確認されていたとし、国際的な動きと連動した勢力がいるとみて詳しい背景などを捜査する方針を示した。(大野航太郎)