「外国人が仕事奪う」 FPI拠点でも投票 分断心配する声も

 「ジョコウィ(ジョコ・ウィドド大統領)のせいで大量に入り込んだ外国人労働者がプリブミ(土着のインドネシア人)の仕事を奪っている」。イスラム擁護戦線(FPI)のロゴの入った白装束に身に包んだルワンディさん(53)が顔をしかめた。17日、野党候補のプラボウォ・スビアント氏支持の急先鋒、FPIの本部がある中央ジャカルタの下町プタンブラン。大統領選と総選挙の投票所では、詰め掛けた白装束の人々からジョコウィ氏批判が飛び出す一方で、同氏を支持し、宗教、民族や意見の違いによる分断を心配する華人の有権者もいた。

 FPIでの活動歴10年以上のルワンディさんが本部周辺の第58投票所に到着したのは午前10時半ごろ。すでに混み合い、待機場所のいすは埋まっていたが、住民の一人がFPIの白装束の同氏を見て席を譲った。ルワンディさんがたばこを取り出すと、若者がライターで火を灯す。「この辺りにはFPIのメンバーと支持者がたくさん住んでいる。プラボウォ氏当選の力になるはずだ」とルワンディさん。
 FPI本部から15メートルほどにある第46投票所からは、華人や、アラブ系の顔立ちをした人々が次々と出てくる。祖父母より前の世代にインドネシアに渡ってきた華人のマウレンさん(25)は「ジョコウィを支持する。プラボウォは攻撃的でビックマウス、具体的な戦略がない」と指摘した。マウレンさんはインドネシアで生まれ、20人以上の親族と同地に住んでいるという。
 マウレンさんの叔母、マリアナさん(54)はプタンブランには多数の外国系インドネシア人がプリブミと融和しながら住んでおり、「FPIの牙城」ではないと説明する。「米国のように、意見の違いで分断されるようなことになってはならない。お互いを尊重しながら、インドネシアという国を維持していくべきだ」と笑顔で語った。
 サウジアラビア人クオーターのアブドラさん(24)はプラボウォ氏に投票。「正直政治はよく分からない。ジョコウィは5年やったし、プラボウォがやってみてもいいのでは」と軽い調子で語る。イスラムをテーマに大衆を動員し、政権を批判するFPIの姿勢には同調しにくいという。(大野航太郎、写真も)

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