MRT開通 日本の最新技術投入 円借款事業 南北線第2区間も起工

 日本の最新技術を投入した円借款事業の大量高速鉄道(MRT)が24日、開通した。2013年10月の起工から約5年半を経て、インドネシア初となる地下鉄を含む南北線第1区間(15・7キロ)が完成した。また同日、南北線第2区間(7・8キロ)も起工。日本政府はさらに東西線(約32キロ)にも積極姿勢を見せている。
 開通した第1区間はホテル・インドネシア(HI)前ロータリー駅(中央ジャカルタ)~ルバックブルス駅(南ジャカルタ)区間(所要時間30分)で、2019年3月の目標通りに開業した。25日から無料運行を開始。当面は午前5時半~午後10時半、10分間隔で運行する。今週中に運賃が確定し、4月1日から有料になる。
 インドネシア政府は24日、HI駅前で開通式を開いた。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領や関係閣僚、アニス・バスウェダン・ジャカルタ特別州知事らが出席。大統領は「今日、私たちの新しい文明が始まる」と話し、自らが特別州知事時代に起工した事業の完成を祝った。
 ジャカルタ中心部の深刻な渋滞の解消や、それに伴う経済発展などを狙いとして始まった同事業には、09年に約481億円、15年に約752億円の円借款供与契約が結ばれ、基本設計など向けを含めると計約1250億円が供与されている。
 多方面で日本が誇る最先端の技術を投入した。清水建設と大林組、三井住友建設、東急建設がそれぞれ地場大手建設業と共同事業体を組成し、建設してきた。新車両は住友商事と日本車輌製造が、日本から海を超えて運び込んだ。
 三井物産と神戸製鋼所、東洋エンジニアリング、そのインドネシア関連会社IKPTの4社連合が鉄道システム一式・軌道工事を請け負い、日本信号が信号システムなどを納入した。
 ただ、ジャカルタの人々にとって地下鉄利用は未知の領域だ。MRTと、首都圏専用バス「トランスジャカルタ(TJ)」など既存の交通機関との接続。さらには利用者が駅に向かうために使うゴジェックやグラブなどの二輪配車サービスとの連携のあり方など、人々の移動をスムーズにしていくための模索、取り組みが続きそうだ。
 同日は南北線第2区間、HI前~カンプン・バンダン(北ジャカルタ)間(7・8キロ)建設の起工式も執り行われた。近々に、一部事業者の入札を始める予定だ。特別州内を東西に走る東西線建設も、15年に基本設計などの費用として約19億円の円借款契約を結んでおり、視界内にある。石井正文駐インドネシア日本大使は「日イの共同作業はまだまだ続く」と語る。
 来イした国土交通省の篠原康弘審議官は「日本のインフラは価格が高いと言われるが、ジャカルタのMRTは安全性、信頼性、快適性を実感してもらえる良いショーケースになる」と事業の意義を語った。
 日本政府が「質の高いインフラ輸出拡大」を掲げる中、フィリピンやベトナム、インドなどでも円借款による地下鉄開発計画が進んでいる。(平野慧)

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