ソロで銃撃事件続発 首都知事選絡みか 警備中の警官狙う

 中部ジャワ州ソロで警察を狙った銃撃事件が続発している。インドネシア独立記念日の8月17日以降、同18、30日と計3回発生し、国家警察は国内の他地域で起きた警察襲撃事件との関係などについて捜査を進めている。ソロからはジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)市長が、ジャカルタ特別州知事選の第1回投票で首位通過し、決選投票(9月20日)を目前に控えており、同市長のイメージ失墜を狙う動きと関連付ける見方も出ている。

 先月30日午後9時半ごろ、市街地シンゴサレンの商業施設「プラザ・シンゴサレン」にある警察詰め所に向け、オートバイに乗った2人組が発砲、警備に当たっていた警察官のドゥウィ・ダタ・スベクティ氏が胸部や腕など4カ所に被弾し、搬送先の病院で死亡した。目撃証言などから、犯人はライフルを所持していたとみられる。
 17日には、ソロ市街地の交差点に設置されたレバラン(断食明け大祭)帰省監視所でも同様の事件が発生。オートバイに乗った何者かが9発を撃ち込み、警察官2人が負傷。レバラン前日の18日には、市街地の帰省監視所に手りゅう弾が投げ込まれたが、負傷者はなかった。
 国家警察のボイ・ラフリ・アマル報道局長は31日、ソロの銃撃事件は、西ジャワ州チルボンや中部スラウェシ州パル、北スマトラ州メダンで起きた警察官を狙った事件と類似性があるとの見解を表明。「一般の犯罪と異なり、犯人グループは事前に準備を行って犯行に及んだ」と指摘した。
 ソロの事件現場は、いずれも人通りの多い交差点や商業地区で発生。警察官に標的を絞り、銃弾を命中させていることから、高度な技術を持つグループとみられる。近年、各地でテロ組織が資金調達のために銀行強盗を実行したり、テロ掃討の報復として警察署を襲撃する事件が多発しており、警察は一連の暴力事件との関係を捜査する方針。
 ジョコウィ市長は31日、ソロに隣接するカランアニャル県のドウィ警察官の自宅を弔問し、早急に事件を究明してほしいと警察に要請。ジャカルタ州知事選の決選投票が近づいているが「ソロの治安は安定している。今後もソロとジャカルタを行き来しながら状況を注視していく」と語った。
 ジョコウィ市長を擁立するメガワティ元大統領の闘争民主党(PDIP)のチャフヨ・クモロ幹事長も同日、ソロで中部ジャワ州警察本部長らと協議した。「事件は首都知事選とは関係なく、地元のグループによる『都市のテロ』とも言える犯罪。だが前回の銃撃事件の追及が遅れており、警察が次々と狙われる要因になっている」と指摘。「早急に犯人を逮捕し、犯行動機を究明するだけでなく、警察と諜報機関が協力して再発防止に向けた措置を講じてほしい」と要請した。

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