プラボウォ猛追 12ポイント差に ジョコウィ満足度低下 コンパス世論調査
日刊紙コンパスが20日付で掲載した大統領選挙の世論調査結果によると、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領組の支持率は半年間で約3ポイント下がり、追い上げているプラボウォ・スビアント(野党グリンドラ党党首)組との差が約12ポイントまで縮まっている。優勢を保っているジョコウィ氏だが、政権への「満足度」が13%下がったとの結果もあり、油断はできない状況だ。
コンパス紙は2月22日~3月5日、全国の有権者2千人を対象に調査した。支持率はジョコウィ組が49%で、選挙戦開始直後の昨年10月と比べて3ポイント減。プラボウォ組は5ポイント増の37%だった。昨年10月時点では20ポイントあった差が、12ポイントまで縮まった。
また、ジョコウィ政権への満足度は昨年の72%から59%へと大幅に低下。政治治安、法務、社会の3分野で満足度が下がっていることが分かった。
世代別では、プラボウォ組が30代で10ポイント、50~60代で8ポイント支持を伸ばしたのに対し、ジョコウィ組は30代と50~60代で各9ポイントずつ支持を減らしている。学歴別では高等教育を受けた層でプラボウォ組の支持が伸びた。
地域別では、プラボウォ組は「ジャカルタ」「西ジャワ・バンテン」「スマトラ」の3地域で優勢。ジョコウィ組は、ジョコウィ氏の地元「中部ジャワ・ジョクジャカルタ」、闘争民主党地盤の「東西ヌサトゥンガラ・バリ」、開発に力を入れてきた東部の「マルク・パプア」で6~7割の圧倒的な支持を得ている。
最近の主要な世論調査では、ジョコウィ組がプラボウォ組に10~20ポイント台の差を付けてリードしている。SMRCの2月24日~3月5日の調査では、ジョコウィ組が支持率58%で、プラボウォ組(支持率32%)を26ポイントリード。ただ、昨年9月の調査と比べると、2組の差は約5ポイント縮まった。
コンパス紙の調査結果を受け、選対幹部のママン・イマヌルハク氏(民族覚醒党=PKB)は同紙に対し、大統領選と総選挙が同時開催になり、政党連合が大統領選勝利に向けて最大限に動けていない▽選挙キャンぺーン期間が1カ月から7カ月へと伸びたことで、国民やボランティアが選挙に飽きてしまった——などを支持停滞の原因に挙げている。投票率低下も懸念されるなか、各地でボランティアによる戸別訪問を強化するとした。(木村綾)